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2018.03.08
- 労働行政の動向
内閣官房 働き方改革の表彰

労働基準監督署による労働時間管理は、このところ年々厳しくなっています。
そんな折、新しい都市伝説ではありませんが、「是正勧告の対応の際、ある労基署で実践している労働時間管理を手本にしたいと言ったら、労働基準監督官の厳しい態度が一変した」と言う話を聞いたことがあります。
その根拠らしい情報を見つけたのでお知らせします。都市伝説の真偽のほどは定かではありません。
昨今の働き方改革は内閣官房イニシアティブで推進されています。
その官房が、昨年国家公務員の働き方改革によるワークライフバランスの推進を狙いとして、業務の効率化や職場環境の改善に向けた創意工夫を活かした取組を行った国家公務員の職場のうち、特に優秀なものを表彰しました。
その中で今回ご紹介するのは、多治見労働基準監督署の事例です。
纏めれば、「朝ミーティングにより組織全体での情報共有を進め、個人では毎日の TODO リストとタイムスケジュールを記録し、仕事の可視化を進め、さらに部下と上司が共同で資料作成に取り組むなど、生産性の向上、働く意識の改革に取り組んでいる。」というものです。以下が内閣官房からの発信内容。
【朝ミーティングの実施】
毎朝、始業時刻後、部署別に職員全員のミーティングを実施した後、幹部職員による朝ミーティングを開催、当日の仕事内容等の情報を共有。
【仕事の可視化】
スケジュール管理表(毎日の TODO リストとタイムスケジュールを記録するエクセルファイル)を共有フォルダに作成して水平展開。仕事の予定や進捗状況等をリアルタイムで把握し、無駄な仕事の排除等、仕事の方向性の軌道修正を組織全体で連携して行っている。
【コンカレント型の仕事の進め方】
仕事の進め方を部下と上司が共同編集機能を活用して一緒に資料作成を行う方法(コンカレント型)に一部切り替える等、仕事の進め方改革に取り組んでいる。
筆者が驚いたのはその結果です。
「以上のような取組の結果、4~10 月の時間外労働を 123 時間(前年度比 79%減)と大幅に削減、年次休暇についても、職員全員が1人平均 14.25 日(前年度差1.25 日増)を達成した。」との事です。
この程度の工夫でこんなに残業削減できるという職場があったという新鮮な驚きがありました。
続いて、これまでの多くの労働基準監督官との交渉を振り返れば、是正勧告対応の際に「多治見監督署の事例を参考にします」は確かに有効かもしれません。参考としてご紹介します。
なお内閣官房の国家公務員の働き方改革表彰情報はhttps://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/files/h28_zentai.pdf
また今月新しい年度表彰も発表される予定との事です。
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