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2020.06.12
- 労働法改正
速報 – 雇用保険法の臨時特例“みなし失業手当”等 – 新型コロナウイルス対応 #40
現在、通常国会では新型コロナウイルス関連の第二次補正予算案が審議されています。
注目されている、みなし失業手当=企業を通さずに休業中の労働者が自ら申請できる「休業者向けの直接給付」に関する法案が衆議院を通過しました。これから参議院で審議されますが、この雇用保険法の臨時特例について、速報でご案内致します。
みなし失業手当は、対象が中小企業に限定されますが、新型コロナウイルスの影響から休業させられたが休業手当が支払われなかった労働者(雇用保険保険の被保険者でない労働者も含まれます)に対して、休業前賃金の80%(月額上限33万円)を休業実績に応じて直接支給するというものです。また基本手当(いわゆる“失業手当”です)の給付日数も求職活動の長期化から60日(一部30日)の延長が可能となります。
雇用保険法の臨時特例の概要は以下をご参照ください。

(さてここからは、本来は筆者の個人ブログに掲載すべき、個人的見解です)
社員を休業させる場合、いったん企業が休業手当を支払った後で国の支援を受けるという雇用調整助成金。PMP News Letterで何度も取り上げていますが、雇用調整助成金は申請の手間が複雑で、企業の事務負担が大きいという問題がありました。事務負担の軽減と早期支給のためと銘打って始まったオンライン申請も、開始初日にシステム不備で稼働停止、2週間以上かけて再開したものの再開初日にシステム不備で再び稼働停止。今もってオンラインは使えない状態という体たらくです。
雇用調整助成金では、企業が最初に休業手当を支払い、その実績を確認して厚労省が助成する仕組みでした。企業にとっては休業手当の立替資金負担も馬鹿になりません。そんな中小企業と中小企業で働く労働者を救う目的で、今回、雇用保険法の臨時特例措置が講じられるようになったというのが、政府の説明です。
臨時措置の対象となるのは、雇用調整助成金を申請していない中小企業の社員です。休業を余儀なくされたにもかかわらず、事業主から休業手当の支払いを受けていない人々が直接ハローワークから給付金を受け取る事が出来ます。
こう聞かされると、大変立派な法律案のように思えます。
4月、5月と複雑な雇用調整助成金の手続きに四苦八苦している中小企業経営者は無駄な時間をかけてしまいましたね。資金負担にあえぎながらも休業手当を頑張って支給した経営者は、休業手当など払わなければ良かったのですね。資金繰りから労働基準法ギリギリの平均賃金の6割の休業手当を支給された社員は、休業手当がなければ賃金の8割相当の休業手当が貰えたのでしょうか?
安倍総理、加藤厚労大臣は真面目に頑張った経営者に対して、どう説明し、納得させるのでしょうか?
戦時にあって、戦力の逐次投入は一番の悪手であると言われます。こんな戦術しか編み出せない無能な司令官は即刻交代させないと負け戦となります。
もちろん、不具合は直ちに修正すべきですので、この臨時特例自体に反対するわけではありません。しかしながら法案趣旨にも衆院議事録にも、これまでの判断が遅く、対応も遅れた事に対する反省の弁は一切ありません。後出しの対症療法を恥ずかしげもなく繰り出しています。こんな現政権に憤りを覚えます。
以 上
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