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2025.07.22
- 労働行政の動向
- 実務シリーズ
スポットワーカーへの労務管理上の留意事項 ‐ 厚生労働省が発表

いわゆる “隙間バイト” 需要も高まっていますが、これに伴い労務トラブルも増えているようです。厚生労働省はトラブル防止の見解をまとめ経団連等経済団体に対して会員企業への周知を要請しました。
1.まず「誰と誰が労働契約を締結するのか」といえば、
当然ですが、事業主とスポットワーカーが直接労働契約を締結することになります。
2.労働契約の成立時期等
労働契約は、労働者が事業主に使用されて労働し、事業主がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び事業主が合意することによって成立します(労働契約法第6条)が、労働契約の成立時期は個別の具体的な状況によるとされています。
スポットワークでは、アプリを用いて、事業主が掲載した求人にスポットワーカーが応募し、面接等を経ることなく短時間にその求人と応募がマッチングすることが一般的ですので、面接等を経ることなく先着順で就労が決定する求人では、別途特段の合意がなければ、 事業主が掲載した求人にスポットワーカーが応募した時点で労使双方の合意があったものとして労働契約が成立するものと一般的には考えられています。
労働契約成立後の解約=キャンセルについて、その事由や期限をあらかじめ示した契約(解約権留保付労働契約)を労使間で締結する場合には、当該事由が合理的であることや、労働契約法第3条第1項の労使対等の原則の趣旨を踏まえスポットワーカーにのみ不利な内容にならないことに留意する必要がありますのでご注意ください。事業主の都合で仕事を直前に解約することは、就労のためのスポットワーカーの準備を無駄にさせ、その日の別の就労機会を見つける時間的余裕がない状態に陥らせるおそれがあることから、労働者保護の観点から不適切であるとされるリスクがあります。事業主からの解約の期限については、別の就労機会を見つける時間的余裕に配慮した設定が求められる可能性に注意してください。
3.労働契約が成立すると、事業主には労働基準法等を守る義務。
具体的には使用者には労働条件明示義務を発生します。
4.休業させる場合
労働契約成立後に事業主の都合で丸1日の休業または仕事の早上 がりをさせることになった場合は、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」となり、スポットワーカーに 対し、休業手当を所定支払日までに支払う必要があります。
5.賃金・労働時間などその他
① 実際の労働時間に対する賃金を労働条件通知書に記載された所定支払日までに支払うことになります。予定と異なる作業などで予定外の労働時間が発生した場合も速やかに労働時間を確定させて賃金支払い義務が生じます。通勤費などは実費とし別途支払うも可ですが、当然ですが支払い義務は残りますので労働条件通知書で記載された支払い日に速やかに支払う必要があります。
② 事業主の指示により、就業を命じた業務に必要な準備行為(指定の制服への着替え等)や業務終了後の業務に関連した後始末(掃除等)を就業先内において行った時間などは労働時間となります。
③ 通勤途中や仕事中のケガは当然のことながら労災が適用されます。
④ 労災事故の防止やハラスメント防止も使用者の義務となります。
以 上
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