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2023.04.04
- 労働法改正
- 実務シリーズ
2024年4月から:雇用契約書の追加記載 – その1 有期労働契約書の更新の上限について

3月30日付けで、労働基準法施行規則が改正されました。
施行は来年4月から、まだ時間はありますが、労働条件通知書の記載内容の変更となるため、早めにお知らせします。
まずは有期雇用者に対する明示事項の改正です。
特に、今回お知らせする事項は、有期雇用者の雇止めや契約更新の際に、従来からも留意すべきとされていた点です。法改正では雇用契約書への記載が義務付けられたのに過ぎません。
来年4月を待たずに、現在ご使用中の有期雇用者用の雇用契約書フォームに付記修正することも、有期雇用者との雇止めや更新のトラブル回避には役立つように思いますので、そのあたりもご検討ください。
具体的には、契約期間の項に、朱記表示をした箇所が追加されることになります。

有期労働契約の締結と契約更新のタイミングごとに、更新上限(有期労働契約の通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容の明示が必要になります。(※1)
有期契約労働者の雇止めや契約期間について定めた厚生労働大臣告示の中で、有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準が変更となります。
具体的には、以下の場合は、更新上限を新たに設ける、または短縮する理由を有期契約労働者にあらかじめ、更新上限の新設・短縮をする前のタイミングで、説明することが必要になります。
① 最初の契約締結より後に更新上限を新たに設ける場合
② 最初の契約締結の際に設けていた更新上限を短縮する場合
次に無期転換申込機会の明示(労働基準法施行規則5条)についての改正です。
通算契約期間が5年を超える場合の雇用契約書では、「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごとに、無期転換を申し込むことができる旨(無期転換申込機会)の明示が必要になります。(※2)
初めて無期転換申込権が発生する有期労働契約が満了した後も有期労働契約を更新する場合は、更新のたびに、今回の改正による無期転換申込機会と無期転換後の労働条件の明示が必要になりますのでご注意ください。
無期転換後の労働条件の明示(労働基準法施行規則5条)の改正です。
もともと雇用契約は労働者と使用者が就業の実態に応じて均衡を考慮しつつ締結又は変更すべきものとされています(労働契約法3条2項)。
この原則を踏まえて、「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごとに、無期転換後の労働条件の明示が必要になります。(※3)
具体的には「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごとに、無期転換後の賃金等の労働条件を決定するに当たって、他の通常の労働者(正社員等のいわゆる正規型の労働者及び無期雇用フルタイム労働者)とのバランスを考慮した事項(例:業務の内容、責任の程度、異動の有無・範囲など)について、有期契約労働者に説明するよう努めなければならないこととなります。
なお、有期契約者の雇用期間については、もともと、定年後有期契約者として継続雇用される場合は、無期転換申込権が発生しない有期雇用特別措置法の特例扱いとなっています。定年後再雇用者の有期雇用契約にその旨の記載がありますか? この機会に念のため、ご確認ください。
具体的には、定年後再雇用者の場合、有期雇用契約、雇用期間の欄の最後尾に、無期転換申込権が発生しない期間:定年後引き続いて雇用されている期間 と記載してください。
また、ご存じと思いますが、無期転換申込権が発生しない特例として、もう一つ高度専門業務があります。この場合は、無期転換申込権が発生しない期間:特定有期業務の開始から完了までの期間 ( 年 か月 (上限10年))という記載となります。
雇用契約書について来年4月からか改正が必要な点はもう一つありますが、それについては PMP News:雇用契約書の追加記載 – その2 で近々ご案内いたします。
詳しくは厚生労働省HPから以下をご参照ください。
・労働条件通知書
・リーフレット「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
以 上
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