PMP Premium News
2021.10.04
- 労働法改正
- 労働行政の動向
- 実務シリーズ
雇用保険マルチジョブホルダー制度

厚生労働から重要とするお知らせが10月1日に発信されました。
来年2022年1月1日から、複数の事業所で勤務する65歳以上の労働者が、そのうち2つの事業所での勤務を合計して以下の要件を満たす場合に、本人からハローワークに申出を行うことで、申出を行った日から特例的に雇用保険の被保険者(マルチ高年齢被保険者)となることができる制度がスタートします。
<適用要件は以下の通りです。>
1.複数の事業所に雇用される65歳以上の労働者であること
2.2つの事業所(1つの事業所における1週間の所定労働時間が5時間以上20時間未満)の労働時間を合計して1週間の所定労働時間が20時間以上であること
3.2つの事業所のそれぞれの雇用見込みが31日以上であること
注1: なお、雇用保険加入後の任意脱退はできません。また加入後、別の事業所で雇用された場合も、以下の要件を満たさなくなった場合を除いて、加入する事業所を任意に切り替えることはできません。
注2: 失業した場合※1には、一定の要件※2を満たせば、高年齢求職者給付金を一時金で受給することができます。給付額は、被保険者であった期間に応じて基本手当日額の30日分または50日分の一時金となります。基本手当日額は原則として、離職の日以前の6か月に支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額(賃金日額)のおよそ5割~8割となります。
※1「失業」: 2つの事業所のうち1つの事業所のみを離職した場合でも受給することができます。ただし、上記2つの事業所以外の事業所で就労をしており、離職していないもう1つの事業所と当該3つ目の事業所を併せて、マルチ高年齢被保険者の要件を満たす場合は、被保険者期間が継続されるため、受給することができません。
※2「受給要件」: 離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上あること等の要件があります。
注3: 2つの事業所のうち1つの事業所のみを離職した場合は、離職していない事業所の賃金は含めません。
注4: そのほか、育児休業給付(頑張りましょうーPMP)・介護休業給付・教育訓練給付等も対象になります。
ご存じの通り、今年2021年4月から高年齢者雇用安定法の改正により65歳までの雇用確保(義務)に加えて、70歳までの就業確保の努力義務がスタートしています。労働市場の需給のひっ迫と少子化による新たな若年労働力増が期待できない事から、経験豊富で健康な高齢者の活用は企業にとっては重要な人事施策の一つですが、一方で組織の活性化を考えると、中堅若手を責任あるポストに就ける人材育成のスピードを遅らせる事も経営の視点では不味とも言えます。
その意味では、65歳以降の定年後再雇用に際して、自社では就労日の相対的に少ない雇用契約とし、残りの日を他の会社で活躍してもらうような多様な働き方があっても良いように思います。今回の雇用保険法の改正はそのような働き方を後押しするものとも思えます。
詳しくは厚生労働省から以下の情報が発信されています。
企業向け:
事業主の皆さまへ
労働者向け:
65歳以上の労働者の皆さまへ
制度のQ&A: Q&A~雇用保険マルチジョブホルダー制度~
以 上
関連記事(同一カテゴリの最新記事)
-

-
2026.02.04
- 労働行政の動向
2025年人事・労務に関する経団連調査結果
2026年、1月20日に経団連から「2025年人事労務に関するトップマネジメント調査結果」が発表されました。高市内閣が新たにスタートし、衆院選を経て、政治が動き出しそうな兆しも見え…
-

-
2026.01.15
- 労働行政の動向
- 実務シリーズ
裁量労働制 – 厚生労働省 労働政策審議会労働条件分科会での議論から –
新内閣発足直後、「働きたい人には働いてもらいたい」というような趣旨からの高市首相の裁量労働制の見直し発言がありました。昨年12月24日(クリスマスイブ!ですね)の厚生労働省労働政策…
-

-
2025.12.12
- 労働法改正
- 実務シリーズ
年末調整作業を直撃! – 国税庁発 “通勤手当の非課税限度額の改正”
11月19日に、突然、国税庁から所得税法施行令の一部を改正する政令が公布。内容は、通勤のため自動車・自転車を使用している給与所得者に支給する通勤手当の非課税限度額を4月に遡り下記の…
-

-
2025.11.25
- 労働法改正
- 実務シリーズ
カスタマーハラスメントの施行日が2026年10月1日に決定される見込みです
6月4日の通常国会でカスタマーハラスメント(以下「カスハラ」)に関して、改正労働施策推進法改正法案が可決されました。その後、カスハラについてはマスコミ各紙で様々な報道がなされました…
-

-
2025.11.13
- 労働法改正
- 実務シリーズ
柔軟な働き方の措置についての企業現場の混乱 その5 措置義務の解釈など – 改正育児休業法関連
10月から施行された改正育児休業法では、3歳から小学校就学始期までの子をもつ社員に対して、仕事と育児の両立支援のための柔軟な働き方を実現するため、企業は2つ以上の選択肢を用意して、…
