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2020.03.02
- 労働行政の動向
休業補償等の整理 – 厚労省企業向情報UpDate(3月1日付)- 新型コロナウイルス対応 #4

2月28日の総理会見の後、3月1日付で厚労省から、新型コロナウィルスに関する企業向け対応が更新されました。もっとも各企業の関心が大きいと思われます、休業補償等については、新しい発表はありません。
各企業からは連日照会が多くあるため、改めて以下の通り纏めてみました。詳しくは厚労省HP以下をご参照ください。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html#Q4-3
1.社員が感染して休業した場合
新型コロナウィルスは指定感染症であるため、都道府県知事の就業制限の指示があって初めて企業の休業補償責任が免れる事になります。
2.上記以外の理由で企業が社員を休業させる場合は、休業補償義務が発生します。
例えば次のような場合でも、企業命令により休業させる場合、企業は休業補償義務から免れる事はできません。
①社員が発熱を訴え、感染予防から自宅待機させた場合
②家族の発熱等の症状を聞き、感染予防から社員を自宅待機させた場合
③学校が休校となり、子供の面倒を見る必要があるとの訴えを聞いて休業させた場合
一方で上記のような理由で社員が休んだ場合、有給休暇を取得しない限りは無給➡欠勤控除ということになってしまいます。
政府の目下の基本姿勢は、上記のようなケースに際して、社員が会社を休みやすい環境を整えることを各企業にお願いするというものです。特別休暇の付与はその典型ですが、要は企業が独自(あるいは勝手)に企業の負担により有給等で社員が休みやすくなる仕組みを作って欲しいとしています。
3月1日現在、これらに対する企業向け助成の措置はありません。
3.上記2に関連して、厚労省情報の中に、1年変形労働時間制度の活用というものがありました。状況によっては利用価値があるかもしれませんので、ご案内します。
たとえば、子供の休校に伴い仕事を休んだり、遅い出勤や早目の退勤によって、1か月あたりの就労日数や就労時間が減ったりする場合。あるいは逆に職場でのそのような事情を抱える社員をバックアップするため、仕事を代わる等の事情から1か月当たりの就労日数や就労時間が長くなる場合。いちいち1か月当たりの給与を減った日数分や時間分を控除したり、増えた日数分や時間分の割増賃金を支払ったりせずに済ませようというもの。これが変形労働時間制です。
1か月を超えて予め設定した期間を平均して週当たり40時間とする労使協定を結び、1か月を超える就労日数や就労時間の変動を調整しようというものです。
導入経験のない企業では「???」となると思いますが、例えば3月・4月の2か月間を新型コロナウイルス対応のための特別措置期間として、この間の変則的な労働時間を残りの期間(たとえば残りの10か月間)で調整しようというもの。制度設計は面倒に思われるかもしれませんが、利用できる企業はあるように思います。ご関心あればPMP宛ご照会ください。多くの導入事例の経験がありますので、お手伝いは可能です。
4.最後に2月28日の首相会見にあった雇用調整助成金については厚労省発表は2月19日が最新のものです。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html
あくまでも、対中国取引または対中国人向け取引が全体の1割以上を占める企業が今回の新型コロナウイルスの影響で売り上げの減少等から企業活動の縮小を余儀なくされ、これに伴い社員を休業等させるときにその休業手当等の一部(大企業は2分の1、中小企業は3分の2、1年間で100日が限度)を助成するというものです。1月24日に遡及して取り扱いが可能とな っています。
以 上
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