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2024.08.28
- 労働法改正
フリーランスの労災加入 – 11月1日から

フリーランスで働く方々の労働条件等の安定化については、11月より『フリーランス・事業者間取引適正化等法』(正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」)が施行されます。
同法は、個人として業務委託を受けるフリーランス(事業者)と企業などの発注事業者の間の取引の適正化、フリーランスの就業環境の整備を図ることを目的とし、
(1)取引の適正化を図るため、発注事業者に対し、フリーランスに業務委託した際の取引条件の明示等を義務付け、報酬の減額や受領拒否などを禁止するとともに、
(2)就業環境の整備を図るため、発注事業者に対し、フリーランスの育児介護等に対する配慮やハラスメント行為に係る相談体制の整備等を義務付けたものです。
法の施行日から、フリーランスが労災保険に特別加入できるようになりますのでご案内いたします。
対象は特定フリーランス事業といわれるもので、詳しくは「フリーランス(特定受託事業者)が企業等(業務委託事業者)から業務委託を受けて行う事業(特定受託事業)」または「フリーランスが消費者(業務委託事業者以外の者)から委託を受けて行う特定受託事業と同種の事業」(他に特別加入可能な事業または作業を除く)となります。具体的な例は以下ご参照ください。

企業等からの業務委託は、例えば、
・翻訳、通訳(外国書籍の翻訳、海外出張時の同行通訳)
・講師、インストラクター(ピアノ教室、スポーツジムのインストラクター)
・デザイン、コンテンツ制作(広報用のイラスト作成、集計プログラム作成)
・調査、研究、コンサルティング(商品売買のための市場調査)
・営業 [商品(保険、電子機器等)の営業代行]
消費者からの委託とは、例えば、
・企業からの業務委託で宣伝写真の撮影の事業を行っているフリーランスのカメラマンが、消費者からも家族写真の撮影を委託されて事業を行う場合
が挙げられます。
労災の特別加入の対象〇・非対象✕については以下のように説明されています。

まとめれば
消費者のみから委託を受ける場合や、企業等からの業務委託を受けているが、当該業務とは異なる事業について消費者から委託を受ける場合は対象とはならず、
企業等のみから業務委託を受ける場合や、企業等からの業務委託を受け、かつ当該業務と同種の事業について消費者から委託を受ける場合が対象となる
という整理となります。
振り返ると、これまでも労災の特別加入は、
(1)令和3年4月1日・ 広告放送を含む芸能従事者 放送番組、映画、劇場、イベント会場、楽屋等において演技、舞踊、音楽、演芸その他の芸能実演や演出の提供、若しくは芸能製作に従事する者・ アニメーション制作従事者・ 柔道整復師
(2)令和3年9月1日・ 自転車配達員(ウーバーイーツがわかりやすいですね)・ ITフリーランス
(3)令和4年4月1日・ あん摩マッサージ指圧師、はり師又はきゅう師
(4)令和4年7月1日・ 歯科技工士
と職種ごとに個別対応として対象を拡大してきましたが、今回の「フリーランス・事業者間取引適正化等法」の施行に伴い、フリーランス全般に広く網をかけて労災保険の適用を受けることができるようになるものです。
以 上
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