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2021.07.16
- 労働行政の動向
- 実務シリーズ
コロナワクチン職域接種の状況

コロナワクチンの職域接種については、6月25日に受付が中止となり、いったいどの程度の接種実績であったかなどについてはマスコミ報道では一切取り上げられていないようです。
厚生労働省は7月11日までの職域接種実績を以下のように発表しています。
・接種回数: 3,411,585回
報告があった会場数:1,827会場
・先週との比較:+1,465,807回/週
なお、国から各職域への配送実績:4,557,300回分(7月4日までの累計)
配送先の会場数:1,902会場
この数字はどの程度、正確な実態を把握しているものでしょうか?
接種“回数”という単位の数字となっていますが、モデルナの2回目の接種は1回目から原則4週間の間隔が必要である事を想定すれば、職域で1回目のワクチン接種を終えた人数がおおよそ340万人、一つの職域接種会場で平均1,900人弱と試算されます。
さらに、上記計数は、接種回数は接種会場から、配送実績は卸売販売業者からワクチン接種円滑システム V-SYSで報告されたものに基づくとの事です。自治体から一人一人に配送されるワクチン接種券もV-SYSシステムで管理されています。職域接種は各自治体からのワクチン接種券未着の場合でも、接種券の後日提出を条件に接種が認められています。
従って、職域によるワクチン接種回数の実数は厚労省公表の掲記計数に、接種券未着、V-SYS未登録だが接種済の回数を加える必要があると思います。
到着済のモデルナは1370万回分
因みに、モデルナワクチンは当初発表された4000万回分ではなく、1370万回分が到着済であるとの事。政府はこの1370万回分を大規模接種会場と職域接種に回しています。もっとも6月25日、予想を超える応募数を理由に河野担当大臣が職域接種の中止を発表した際、職域接種希望総数はすでに3700万回分の申請となっているとの説明でした。一方で掲記の通り7月11日までの接種実績は340万回、配布実績は7月4日現在で450万回でしかありません。河野大臣からは当初4000万回分が1370万回分に減った残りは第3四半期に供給見込みという発表もありました。第3四半期、10月以降に職域接種が再開されるという事でしょうか?
それはともかくとして、厚労省の職域接種の実績340万回、職域接種申込3300万回、ワクチン確保済は大規模接種込みで1370万回。数字が色々と出てきましたが、全体を把握しようとしても数字の辻褄が合わないような気もしますが、皆さまはどう思われますか?
以 上
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