PMP Premium News
2024.07.05
- 労働行政の動向
内閣府主催「賃上げを広く実現するための政策アイデアコンテスト」優勝作品のご紹介

内閣府とは、HPによれば、“内閣及び内閣総理大臣を助ける「知恵の場」” としての機能も持つ行政機関とのこと。日本を動かす中核に位置する行政機関といえます。
その内閣府が、内閣府組織内で「賃上げを幅広く実現するための政策アイデアコンテスト」を開催しました。
今年度春闘では、昨年度以上の賃上げとなっています。
内閣府の姿勢は、“物価高を超える賃上げを実現し、『賃金が上がることが当たり前』という意識を全国に広げ、社会全体に定着させていくことが重要である” というメッセージに表れています。
内閣府職員に加えて、他省庁・地方自治体・民間企業からの内閣府への出向者も加わり、“賃上げを幅広く実現するための政策アイデア” のコンテストを実施しました。先月末、応募総数36のうち、2つのアイデアが優勝となったとのことです。
今回その中から、特に企業人事の諸氏には関心があると思われる一つの優勝 “アイデア” をご紹介いたします。
アイデア名は『残業から副業へ。すべての会社員を個人事業主にする。』です。
内容は次の一言で纏められています。
“残業での仕事を個人事業主としてこなすことにより、企業から見たコストカットと、従業員からは手取りのアップを図る。”
アイデアはPPT2ページに簡潔にまとめられていますので、まずはそれをご紹介しましょう。
内閣府の人事課HPをクリックすれば、どなたでもアクセスすることができるものです。
講評は後に回して 2ページ目のPPもご覧ください。
内容を一覧すれば、企業は残業禁止とし、社員は残業せず、その日の残業に相当する業務は社員としてではなく、独立した個人事業主として受託し、その業務を遂行する、というアイデアです。これが優勝しました(??)
企業は、残業代相当額と同額を個人事業主である社員に支払うが、残業代=賃金に伴って発生する社会保険料の支払いを免れる。
さらに、このコンテストの主人公である労働者にとっては、残業代と同額の業務委託料を受け取るが、これには社会保険料がかからないため、手取り額がアップ、というものです。
皆さん、どう思われますか? 皆さんの思われる通り、疑問点がいくつも並びますね。
そもそも独立した個人事業主ですか?
労働者として指揮命令下で就労していながら、所定労働時間内で積み残した、本来は残業でカバーするべき業務を、同じ人物でありながら個人事業主として行うのですよね。
11月から施行されるフリーランス法では、フリーランスであっても労働者に該当すれば労働法上の保護を受けられる(=労働法の適用がある)としており、「請負契約等のフリーランスの契約の形式や名称にかかわらず、その労働の実態を個別に勘案した結果、労働基準法等の労働者に該当し、法違反が認められると判断した場合には、監督署において引き続き厳正に監督指導を行うとともに、被用者保険の更なる適用促進を図るため、日本年金機構年金事務所及び労働局労働保険適用徴収部門への情報提供を徹底する」(厚生労働省「令和6年度地方労働行政運営方針」より)とあります。
2ページにわたるこのPPT、まだまだ突っ込みどころ満載ですが、これについてはPMP代表の鈴木が『月間人事マネジメント』に連載中の “ハマの労務コンサル短信” 8月号に掲載予定とのこと。
お楽しみに!!
以 上
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