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2024.09.04
- 労働行政の動向
- 実務シリーズ
「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の変更に伴う数値目標について

厚生労働省では昨年11月から今年6月にかけて4回にわたり「過労死等防止対策推進協議会」を開催し、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」を見直しました。この度厚生労働省案が原案通り閣議決定されました。
大綱の変更の詳細は 厚生労働省HPでの報道発表 をご参照ください。
ここでは、これに伴い政府が策定した数値目標をご紹介しましょう。
- 週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下 という実働時間の目標は各社の参考になると思います。5%と言わずに、原則週60時間までとするという目標を掲げることをお勧めします。
- 勤務間インターバルは筆者の印象では、政府が声高に言うほど、世間では広がっているとは思えません。2023年の導入実績はわずか6%とあります。これを2028年(令和10年)までに15%以上としていますが、その前年2022年実績は4.8%。1年間の伸びはわずか1.2%、これを単純に引き延ばしても目標には届きません。助成金などを活用するのでしょうが、まず15%という目標自体がそれほど高い水準とは思いませんし、この目標を達成してどのような意味があるのでしょうか?なぜ企業が導入にそれほど積極的ではないのか、という原因分析をももっと深めるべきではないのかと思います。
- 有給休暇の消化率の改善目標も、現状62%を70%と8%の改善。年間有給休暇付与日数を最大の20日として、1.6日の有給休暇増を目指すとのことですが、すでに年間祝日総数は日本の16日に対して、アメリカ10日、フランス11日、イタリアですら12日です。加えて、日本はお盆と年末年始の休日も広く普及しています。そろそろ、この有給休暇消化運動も単に消化日数増から年の総労働日の管理という観点に変更すべきではないでしょうか?
以 上
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