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2025.10.01
- 労働行政の動向
令和7年版 労働経済の分析 – 厚生労働省

厚生労働省より、『令和7年版 労働経済の分析 – 労働力供給制約の下での持続的な経済成長に向けて – 』が発表されました。詳細については、以下をご参照ください。
概要:令和7年版 労働経済の分析 〔概要〕
本文:令和7年版 労働経済の分析
第1部 労働経済の推移と特徴
☑ 雇用情勢は前年に引き続き改善の動き。完全失業率、有効求人倍率はほぼ横ばいで推移し、労働力人口、就業者数及び雇用者数は過去最高。

☑ 現金給与総額は4年連続で増加、実質賃金は一般、パートともマイナスを脱した。

第2部 第1章:持続的な経済成長に向けた課題
☑ 1990年代以降、実質労働生産性の実質GDP成長率への寄与が低下。労働力供給量をできるだけ維持することを前提としつつ、我が国の持続可能な 経済成長には、労働生産性の向上を推進していくことが最も重要。
☑ 人的資本投資やソフトウェア投資などの無形資 産の名目労働生産性への寄与度が、我が国では低い水準にとどる。米国、英国及びドイ ツと比較すると、無形資産投資の対名目GDP比は小さく、その上昇率も弱い動き。
☑ 無形資産投資の中でも特に非製造業におけるAI投資の中核を構成しているソフトウェ ア投資について、米国、英国及びドイツと比べて伸びが低迷無形資産投資の中でも特に非製造業におけるAI投資の中核を構成しているソフトウェ ア投資について、米国、英国及びドイツと比べて伸びが低迷。
☑ 国際的にみると高齢化率が高まるにつれて医療・福祉業及びサービス業等の就業者の割合が高まる傾向にあり、これらの産業の労働生産性の向上も重要。
☑ 我が国の医療・福祉業、卸売・小売業及び宿泊・飲食業の実質労働生産性の上昇率は米国、英国、ドイツと比較して低水準。これらの産業をはじめ、AI等ソフトウェア投資など による業務の効率化や省力化の推進、事務的な業務の軽減が重要。

第2部 第2章:社会インフラを支える職業の人材確保に向けて
注:【「社会インフラ関連職」の定義】~労働経済白書より~
社会インフラに関連する分野で働く人々は、感染症の拡大以降、「エッセンシャルワーカー」や「キーワーカー」と呼ばれているが、国際的に統一された定義はなく、国際機関、各国ごとに独自に定義を設けている。本白書では、安定的な人材確保が求められる等の社会インフラを支える職業として、命に関わる仕事、物流・インフラに関わる仕事、日々の生活に関わる仕事の三つを想定し、これらに対応する職業を「医療・保健・福祉グループ」「保安・運輸・建設グループ」「接客・販売・調理グループ」の三つに分類した上で、その総称を「社会インフラ関連職」と定義した。
なお、今回社会インフラ関連職に分類されなかった職業も含めて全ての職業が社会機能の維持に重要な役割を果たしている点には留意が必要である。
☑ 安定的な人材確保が求められる社会インフラ関連の就業者は就業者全体の約35%。過去10年間では、非社会インフラ関連職は322万人増加の一方、社会インフラ関連職の増加は58万人にとどまる。


☑ 人材確保にはスキルや経験の蓄積に応じた処遇の改善が重要。社会インフラ関連職と非社会インフラ関連職の賃金を比較すると、月額賃金で約5万円低い。
☑ 非社会インフラ関連職の事務職と社会インフラ関連職の月額賃金の分布を比較すると、事務職の方が中央値は高く、高所得者層への裾野が広がっており、社会インフラ関連職はスキルや経験の蓄積に応じて賃金が上昇する仕組みが相対的に弱い可能性。
☑ 賃金プロファイルを比較すると、非社会インフラ関連職では、賃金カーブは山なりの形状。 一方、社会インフラ関連職では、年齢とともに賃金が上昇する傾向はあるものの、賃金カーブの傾きは緩やか。

第2部 第3章:企業と労働者の関係性の変化や労働者の意識変化に対応した雇用管理
☑ 我が国が持続的な経済成長を実現するためには、労働生産性の向上に加え、多様な労働者の 労働参加を促し、企業が直面する人手不足を緩和していくことが必要である。我が国では、 日本的雇用慣行の変化や転職市場の拡大に加え、ワーク・ライフ・バランスへの関心の高ま りなど、雇用を取り巻く環境に様々な変化が生じている。
☑ ◆企業と労働者の関係性についてみると、転職者が増加するとともに、新卒で採用された時から継続的に同一企業に就業している「生え抜き社員」割合は低下し、年功的な賃金体系の賃 金上昇幅が鈍化している。

☑ ◆労働者の就業意識も変化しており、仕事と余暇のあり方に対する意識をみると、1973年には 「仕事優先型」の割合が約44%と高かったが、近年では「仕事優先型」の割合は約23%まで 下がり、「余暇・仕事両立型」(約38%)と「余暇優先型」(約36%)の割合が高くなって おり、多様化がみられる。
☑ 若年層ほど、仕事内容よりも賃金水準を重視し、自己成長への関心が高いなどの傾向がみら れる。また、「働きやすい」と感じているグループの方が継続就業希望が高い傾向にあり、 職場環境の改善は社員の継続就業につながることが示唆される。
☑ 雇用を取り巻く環境変化に対応して企業が人材を確保するためには、賃金及び福利厚生と いった処遇改善に加え、賃金以外の労働条件の改善や働きやすい職場環境整備など、労働者 それぞれの意識やライフイベントに合わせた働き方を可能とする柔軟な雇用管理を行うことが重要。
以 上
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