PMP Premium News
2020.02.18
- 労働法改正
パワハラ対策が事業主の義務になります

パワーハラスメントについては、巷間、大きな社会問題となって久しいものの、これまでパワハラに該当するのかについては法律に基づく明確な基準はありませんでした。不法行為による損害賠償、職場環境整備義務等による作為・不作為の請求等、結果としての行為からケースバイケースで対応するというのが実情でした。
これが変わります。6月1日から施行(中小企業は2022年4月1日から)される改正労働施策総合推進法によりパワーハラスメント対策が事業主の義務となります。
以下、簡単に概要を箇条書きにしてみました。お届けします。
1.職場におけるパワーハラスメントとは職場において行われる以下の3つの要素をすべて満たすものです。
①優越的な関係を背景とした
②業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により
③就業環境を害すること(身体的もしくは精神的な苦痛を与えること)
適正な範囲の業務指示や指導についてはパワハラに該当しません。
2.職場におけるパワハラの内容は以下の6つの種類に分類されます。
①身体的な攻撃(暴行・傷害)
②精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)
③人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
④過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害)
⑤過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事をめいじることや仕事を与えないこと)
⑥個への侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
3.事業主が雇用管理上講ずべき措置の内容
①ハラスメントに関する方針の明確化及びその方針を労働者に周知・啓発する。(具体的には就業規則への服務規律や懲戒ルールに記載したり、労働者に対する研修・講習を実施する)
②ハラスメントについて労働者からの相談・苦情に応じ適切に対応するための体制を整備する。(相談窓口担当者に対して相談を受けた場合の対応についての研修を行う)
③ハラスメントにかかる相談の申出に対して、迅速かつ適切な対応を行う。(事実関係の正確な確認、被害者に対する配慮措置、行為者に対する措置・再発防止に向けた措置)
④相談にかかる相談者や行為者のプライバシーを保護するとともに、相談したり調査に協力したことにより不利益的な取扱いを行わないことを周知する。必要に応じて中立な第三者機関に紛争処理を委ねる。
4.事業主が行う望ましい取り組みの内容
①ハラスメント全般に関する相談窓口を一元化すること
②ハラスメントの原因や背景となる要因を解消するためにコミュニケーションの活性化や円滑化のために研修などを実施する。
5.労働施策推進法第33条では、事業主が責務を適切に果たさない場合等、厚生労働大臣による助言・指導・勧告が行われる定めがある。
なお、詳しくは厚労省HP https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/ をご参照ください。
ちなみに、これまでセクシャルハラスメントやマタニティーハラスメント案件は各都道府県の労働局均等室が窓口でしたが、今回の労働施策総合推進法の担当は均等室となるのか??、若干まだ曖昧のような印象を持っています。均等室ではない場合は、各都道府県の総合労働相談コーナーが窓口となりますが、できればハラスメントはこれ以外にもカスタマーハラスメント等の深刻な問題もありますので、ハラスメント全般の窓口を担当の根拠法に拘らずに一本化してほしいものです。
以 上
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