PMP Premium News
2021.03.16
- 実務シリーズ
雇用環境・均等部(室)

雇用環境・均等部(室)とは
先のPMP Newsで労働局内の雇用環境・均等部について若干触れました。質問もありましたので、この組織について改めてご説明致します。
PMPの地元神奈川労働局の雇用環境・均等部は平成28年=2016年4月に発足しましたが、同じ時期に、東京、北海道、愛知、大阪、兵庫、福岡、合計7地区に雇用環境・均等部は設置されました。因みにそれ以外の府県では雇用環境・均等室となっています。
このタイミングで、雇用環境・均等部についてPMP Newsでお知らせするのは、同一労働同一賃金に関わる短時間・有期雇用労働法がこの4月より、施行猶予されていた中小企業も含めて完全施行となったことを踏まえ、各企業の人事にとって、雇用環境・均等部の存在を今まで以上に意識していただきたいと思うからです。
雇用環境・均等部の所掌する法律は実は幅広く、企業人事にも大きな影響を与えるものです
雇用環境・均等部が所掌する法律は以下の通りです。
1.短時間・有期雇用労働法
2.育児介護休業法
3.男女雇用機会均等法
4.女性活躍推進法
5.次世代育成支援対策推進法
6.労働契約法
7.労働施策総合推進法 注:昨年6月同法の改正により、パワハラ防止措置が使用者の義務となっています。なおパワハラ防止措置は中小企業は令和4年3月までは努力義務です。
8.個別労働関係紛争解決促進法
こう見ると随分と、幅広い労働法各法を所掌していますね。パワハラに加えてセクハラやマタハラも守備範囲となるようです。
労働基準監督署に総合労働相談コーナーがあります。巷間「相談コーナーに行ったが、労働基準監督署は積極的に動いてくれない」という声が聞かれます。ある弁護士は、「労働基準監督署は労基法違反の有無を調査し、会社を是正することが役割であるため、労基法以外の案件には比較的冷たいのですよ」と分析していました。それが正しい分析かについてはここでは言及しませんが、確かに厚生労働省の総合労働相談コーナーの説明の中にも「労働基準法等の法律に違反の疑いがある場合は、労働基準監督署等の行政指導等の権限を持つ担当部署に取り次ぐことになります。」という一文がありました。勘ぐれば、そもそも労基署に労基法以外にも関係する事になる総合労働相談コーナーを置いたがために、結果として、労基署 ⇒ 労基法関連重視の対応に繋がってしまったのかもしれません。定かではありません。
しかしながら、興味深い事に、実は労働基準監督署内に総合労働相談コーナーが設置されてはいても、このコーナーはこの雇用環境・均等部に所属している組織です。少なくとも、今の組織図では—–
これまでは兎も角として、今後は “社員が労基署に駆け込んだ” ➡ “相談内容が労基法違反ではなかった” ➡ 労基署が雇用環境・均等部に繋ぐ ➡ “雇用環境・均等部が乗り出した” というフローも十分にあり得るようにも思います。
閑話休題
雇用環境・均等部の権限には注意してください
掲記、雇用環境・均等部が所掌する労働法のうち、短時間・有期雇用労働法、育児介護休業法、男女雇用機会均等法、労働施策総合推進法には、助言・指導・勧告、また紛争の場合には調停の権限があります。
なお、各法で共通の表現(労働施策総合推進法は除きますが)ですが、助言・指導・勧告についての条文の前には、「必要あると認めるときは事業主に対して、報告を求め」との記載があります。また、この報告徴収については、短時間・有期雇用労働法のみですが、報告しない場合や虚偽の報告の場合に、20万円の過料の定めがある事も付け加えておきます。
今年度=令和2年度も年度末を迎え振り返れば、新型コロナウイルスに振り回された1年でした。
そもそも令和2年度の厚生労働省の考え方を確認したところ、働き方改革による労働環境の整備、生産性向上の推進を最優先課題として掲げていました。
これは、具体的には、(1)働き方改革による労働環境の整備、生産性向上の推進 (2)雇用形態に関わらない公正な待遇の確保 (3)総合的なハラスメント対策の推進 を3つの柱としていました。またこれとは別に、女性、高齢者等の多様な人材の活躍促進、人材投資の強化も課題と同じように並んでいました。
これからの日本を考えると、働き方改革等は引き続き最優先課題となるべきもので、これらはそのまま令和3年度にも引き継がれるように思います。
そんな事情も勘案すれば、働き方改革に関連する労働法を広く所掌する雇用環境・均等部の動きには注意を払っていただきたいと思います。
令和2年度も押し迫ったこの時期、そのような兆候について、PMPでは実はすでに観察済ではあります。
以 上
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