PMP Premium News
2021.08.04
- 労働行政の動向
- 実務シリーズ
アストラゼネカ(AZ)ワクチン接種が始まります

AZ製の新型コロナワクチン(遺伝子組換え)は5月21日に特例承認されていましたが、その際の条件として ①12歳以上18歳未満の者に対して行う接種においては使用しないこと とされており、また②緊急等の必要がある場合を除き、18歳以上40歳未満の者に対して行う接種においては使用しないこと という付帯条件がありました。
政府は感染力の極めて強いデルタ型への置き換わりに伴う感染急増を受けて、この“緊急の必要がある場合”と判断、AZワクチンの接種を開始することにしました。
8月4日に厚生労働省はAZワクチン接種についての接種・流通体制の構築に係る都道府県向け説明会を開催しました。そこでの概要をご報告いたします。
緊急事態宣言対象地域に重点を置く接種
接種要領は、希望する都道府県が政府にAZワクチン接種センターの設置を申請し、このセンターで接種が実施されます。9月末までに供給可能なAZワクチンは、200万回分の在庫がありとの事。接種の概要は以下の通りです。

特に 緊急事態宣言の対象の都府県については、9月末までの配分量として、以下の回数を限度として、納入希望量を踏まえ決定、優先配布の方針です。
埼玉県:258,700回 千葉県:305,600回 東京都:579,500回 神奈川県:390,600回
大阪府:357,900回 沖縄県:58,000回
AZワクチン接種と血栓症
皆さんもご存じの通り、AZワクチンには、他の新型コロナワクチンとは異なる重篤な副反応として、ごくまれに「血小板減少症を伴う血栓症」が起こることが知られています。心配されている方も多いと思います。
そのため、AZワクチンでは、「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種を受けた後に血栓症(血栓塞栓症を含む。)(血小板減少症を伴うものに限る。)を発症したことがある者及び毛細血管漏出症候群の既往歴のあることが明らかな者は接種対象から外す」としています。
余談ながら、公式の政府見解は何も無いようですが、AZワクチンを今まで日本で利用せず、台湾やインドネシアに緊急支援として送っていたのも、そのような事情と関係があるように筆者は思います。
因みに、この「血小板減少症を伴う血栓症」接種数の多いイギリスでは、1回目接種において100万回あたり14.8件(0.00148%)、2回目接種において100万回あたり1.9件(0.00019%)との報告。日本国内では使用せずとの過去の判断の是非が問われます。
政府には是非、仮にファイザーやモデルナと同時期にAZワクチン接種も行った場合、デルタ株による感染拡大がどの程度になるのかを試算して公表して欲しいとも思います。
1回目と2回目の間隔は55日がベスト!?
AZワクチンは、標準的には27日から83日までの間隔で2回の接種とされ、最大の効果を得るためには55日以上の間隔をもって接種することが望ましいと言われています。最大の効果があがる55日もの間隔では、デルタ株による感染急拡大の”緊急”対応には不向きのようにも思います。
もっともAZワクチンは他のワクチンとの混合接種も可とされていますので、ファイザーやモデルナの1回目接種終了者で40歳以上の方あたりをAZワクチンの接種の最優先の対象とし、そこで浮いたファイザーやモデルナワクチンを40歳未満に回すことなども考えているのかもしれません。
以上、厚生労働省発表資料をベースに筆者の考え方も交えてのご報告となります。筆者の見解を除いた厚生労働省の詳しい情報をチェックしたい方は厚労省HP アストラゼネカ社ワクチンの接種・流通体制の構築について に32ページの説明資料が掲載されていますのでご参照ください。
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