PMP Premium News
2022.07.30
- 労働法改正
- 実務シリーズ
管理監督者が産後パパ育休中に就労を行う場合の整理 – 10月からの改正育児休業法対応 その4

厚生労働省は、改正育児休業法に関するQ&Aを7月25日に改定しました。
今回のPMP Newsは、特に労働基準法の労働時間の規制の適用から除外される管理監督者が、産後パパ育休中に就労する場合を例にとりました。
改正育児休業法対応ばかりでなく、管理監督者の労働時間管理の基本的な考え方を整理するためにも役立つと思います。お勧めです。
注:Q&Aの番号 – この場合Q6-11– は、今回参照している厚生労働省 「令和3年改正育児・介護休業法に関する Q&A (令和4年7月 25 日時点)」のQ&Aの番号です。
なお、PMP Newsでは厚生労働省のQ&Aは一部抜粋の上、PMPコメントが付されていますので、オリジナルの厚生労働省Q&Aを参照されたい方は上記URLにアクセスしてください。
(管理監督者や通常と異なる労働時間制度の適用される労働者への適用)
Q6-11:労働基準法第 41 条第2号に規定する管理監督者に産後パパ育休の部分就業を行わ せることは可能か?
A6-11: 管理監督者については、労働基準法第4章の労働時間に関する規定の適用は排除され るが、他の法令における規定は排除されません。
☚PMP 要は管理監督者であっても、産後パパ育休を取得し、その内育休中の就労もOKであると言う事。これが今回の改正育児休業法ばかりでなく、法の原理原則の考え方です。
従って、管理監督者についても、育児休業法第9条 の5に従い、通常の労働者と同様の手続きを踏み、産後パパ育休中 の部分就業を行わせることは可能が結論となります。
次は、1日のうちの一定の時間だけ就業する“部分就業”の整理です。
管理監督者が産後パパ育休中の部分就業を行う場合、就業可能な時間帯の申出は、就業規則等で定められた所定労働時間内の時間帯で行うことになります。
また、この所定労働時間数を元に就業可能な時間数の上限(産後パパ育休期間における所定労働時間の合計の半分)の算出を行うことにもなります。
☚PMP 要は、労働時間の適用除外者であっても産後パパ育休中に1日の一部の時間の就労を行うことができ、さらに、予め会社と社員間で合意した育休中の就労予定日・予定時間に従わなければならないという事になります。
厚生労働省は、“ただし”として、「産後パパ育休中の部分就業を行う場合であっても、引き続き管理監督者として 扱われ、自身の労働時間に関する裁量を有していることから、予め合意した就業日時よ り少ない時間数しか実際に就業しなかったことをもって賃金の減額等のペナルティを課 すことは、管理監督者性の判断においてこれを否定する要素として働きうることに留意 することが必要」としています。
☚PMP ここで管理監督者の労働時間の規制の適用除外の考え方が出てきますが、あくまでも社員イニシアティブです。
一方で、予め合意した就業日時の範囲を超えて就業することは育児・介護休業法上(労働時間の適用除外となる管理監督者であっても)認 められていないため、当日就業する日時の目途が立たない場合には、予め合意する就業 日時を広く設定しておくことが考えられる。その場合でも、産後パパ育休中の 部分就業を実際に行う時間数は、則第 21 条の 17 に定める範囲内(※)に収めなければ ならない点には注意する。
(※)厚生労働省の補足説明
・産後パパ育休期間の所定労働日数の2分の1以下(1日未満の端数がある時は切り捨て)
・産後パパ育休期間における所定労働時間の合計の2分の1以下
・産後パパ育休開始予定日又は終了予定日を就業日とする場合は当該日の所定労働時間数未満
☚PMP 労働時間の規制の適用除外者と言えども、産後パパ育休中の就労に際しては“予め会社と社員間で合意した予定就労日・予定就労時間を”超えてはならない”という考え方に注意を喚起しておきます。
号を改めて、フレックスや裁量についても、引き続き説明する予定です。
以 上
関連記事(同一カテゴリの最新記事)
-

-
2026.06.24
- 労働行政の動向
- 実務シリーズ
最近の労災請求は、精神障害、また50歳以上の脳・心臓疾患が増加 – 厚生労働省 過労死等防止対策推進協議会の議論から
※ 本記事の図表はいずれも6月5日に開催された 第32回過労死等防止対策推進協議会資料 からのものです。 まず、注目しなければならないのは、精神障害に係る労災請求件数の増加です。…
-

-
2026.06.19
- 労働法改正
- 実務シリーズ
成年後見制度が変わります ‐ 民法改正法案が成立
高齢化が進む日本では、認知症などで判断能力が十分ではなくなった人の暮らしや財産管理を支援する「成年後見制度」は益々その重要性が高まるものと思われますが、現在の成年後見制度についてい…
-

-
2026.06.08
- 労働法改正
- 実務シリーズ
ハラスメント、今注意すべき事項 その4 – 厚生労働省発表カスハラ等のQ&Aからの抜粋
厚生労働省では10月1日から施行される求職等のセクハラ等に関するQ&Aを発表しました。その中で、10月1日改正法施行を待たずに、現時点でも注意すべきパワーハラスメント、セクシャルハ…
-

-
2026.06.05
- 労働行政の動向
- 実務シリーズ
今年の賃上げ(第1回集計結果) – 経団連からの発表
PMP Premium Newsで2月に 「2026年賃上げの動向」 をご案内していましたが、経団連は5月27日、「2026年春季労使交渉・大手企業 業種別回答状況」の第1回目の集…
-

-
2026.06.03
- 労働法改正
- 労働行政の動向
- 実務シリーズ
10月から社宅の現物給与額の取扱が変更 – 来年1月の月変による社会保険料負担増の可能性も?
現物給与 - 人事に携わる方々は、ご存じの用語のはずですが、人事の実務に影響ある事態が生じるかもしれません。何社かにお話をしましたが、給与計算を外注しているベンダーからすでに情報と…
Pick Up News
-

-
2026.06.08
- 労働法改正
- 実務シリーズ
ハラスメント、今注意すべき事項 その4 – 厚生労働省発表カスハラ等のQ&Aからの抜粋
-

-
2026.06.03
- 労働法改正
- 労働行政の動向
- 実務シリーズ
10月から社宅の現物給与額の取扱が変更 – 来年1月の月変による社会保険料負担増の可能性も?
-

-
2026.06.01
- 労働法改正
- 実務シリーズ
10月1日からのカスハラ+求職者等へのセクハラ関連 その3 – 求職者等セクハラのQ&Aの主要ポイントを纏めました
-

-
2026.05.29
- 労働法改正
- 実務シリーズ
10月1日からのカスハラ+求職者等へのセクハラ関連 その2 – カスハラのQ&Aの主要ポイントを纏めました。
-

-
2026.05.21
- 労働法改正
- 実務シリーズ
10月1日からのカスハラ+求職者等へのセクハラ関連 その1 – 4月24日、厚生労働省がリーフレットを作成しました。