管理監督者が産後パパ育休中に就労を行う場合の整理 – 10月からの改正育児休業法対応 その4

管理監督者が産後パパ育休中に就労を行う場合の整理 – 10月からの改正育児休業法対応 その4

厚生労働省は、改正育児休業法に関するQ&Aを7月25日に改定しました。
今回のPMP Newsは、特に労働基準法の労働時間の規制の適用から除外される管理監督者が、産後パパ育休中に就労する場合を例にとりました。

改正育児休業法対応ばかりでなく、管理監督者の労働時間管理の基本的な考え方を整理するためにも役立つと思います。お勧めです。 

注:Q&Aの番号 – この場合Q6-11– は、今回参照している厚生労働省 「令和3年改正育児・介護休業法に関する Q&A (令和4年7月 25 日時点)」Q&Aの番号です。

なお、PMP Newsでは厚生労働省のQ&Aは一部抜粋の上、PMPコメントが付されていますので、オリジナルの厚生労働省Q&Aを参照されたい方は上記URLにアクセスしてください。

(管理監督者や通常と異なる労働時間制度の適用される労働者への適用)
Q6-11:労働基準法第 41 条第2号に規定する管理監督者に産後パパ育休の部分就業を行わ せることは可能か?
A6-11: 管理監督者については、労働基準法第4章の労働時間に関する規定の適用は排除され るが、他の法令における規定は排除されません。

 ☚PMP 要は管理監督者であっても、産後パパ育休を取得し、その内育休中の就労もOKであると言う事。これが今回の改正育児休業法ばかりでなく、法の原理原則の考え方です。

従って、管理監督者についても、育児休業法第9条 の5に従い、通常の労働者と同様の手続きを踏み、産後パパ育休中 の部分就業を行わせることは可能が結論となります。

 

次は、1日のうちの一定の時間だけ就業する“部分就業”の整理です。

管理監督者が産後パパ育休中の部分就業を行う場合、就業可能な時間帯の申出は、就業規則等で定められた所定労働時間内の時間帯で行うことになります。
また、この所定労働時間数を元に就業可能な時間数の上限(産後パパ育休期間における所定労働時間の合計の半分)の算出を行うことにもなります。

☚PMP 要は、労働時間の適用除外者であっても産後パパ育休中に1日の一部の時間の就労を行うことができ、さらに、予め会社と社員間で合意した育休中の就労予定日・予定時間に従わなければならないという事になります。

厚生労働省は、“ただし”として、「産後パパ育休中の部分就業を行う場合であっても、引き続き管理監督者として 扱われ、自身の労働時間に関する裁量を有していることから、予め合意した就業日時よ り少ない時間数しか実際に就業しなかったことをもって賃金の減額等のペナルティを課 すことは、管理監督者性の判断においてこれを否定する要素として働きうることに留意 することが必要」としています。

☚PMP ここで管理監督者の労働時間の規制の適用除外の考え方が出てきますが、あくまでも社員イニシアティブです。

 一方で、予め合意した就業日時の範囲を超えて就業することは育児・介護休業法上(労働時間の適用除外となる管理監督者であっても)認 められていないため、当日就業する日時の目途が立たない場合には、予め合意する就業 日時を広く設定しておくことが考えられる。その場合でも、産後パパ育休中の 部分就業を実際に行う時間数は、則第 21 条の 17 に定める範囲内(※)に収めなければ ならない点には注意する。
(※)厚生労働省の補足説明
・産後パパ育休期間の所定労働日数の2分の1以下(1日未満の端数がある時は切り捨て)
・産後パパ
育休期間における所定労働時間の合計の2分の1以下
・産後パパ育休
開始予定日又は終了予定日を就業日とする場合は当該日の所定労働時間数未満

☚PMP 労働時間の規制の適用除外者と言えども、産後パパ育休中の就労に際しては“予め会社と社員間で合意した予定就労日・予定就労時間を”超えてはならない”という考え方に注意を喚起しておきます。

 号を改めて、フレックスや裁量についても、引き続き説明する予定です。

以    上