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2025.02.17
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『育児時短給付金』の全体像がようやく発表されました – 育児休業給付金関連

既に、PMP News でも複数回ご案内している通り、改正育児休業法が4月、10月と2段階で順次適用されます。
これに伴い、育児休業給付金関連も法改正により一部手直しされることになります。
特に、育児に係る容易措置の一つである育児時短勤務者向けに、新しく4月から『育児時短給付金』始まります。その 手続要領 がこの度、厚生労働省から発表されましたのでご案内します。
育児休業関連の給付金の全体像は以下の通りです。

< 育児時短給付金概要 >
1.受給資格
以下の何れも満たすこととなります。
① 2歳未満の子を養育するために、1週間当たりの所定労働時間を短縮して就業する被保険者であること
② 育児休業給付の対象となる育児休業から引き続き、同一の子について育児時短就業を開始したこと、または、育児時短就業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある)完全月が12か月あること
2.各月の支給要件は以下の通りです。
① 初日から末日まで続けて、被保険者である月 ※注:月の途中で離職する場合はご注意ください(PMP)
② 1週間当たりの所定労働時間を短縮して就業した期間がある月
③ 初日から末日まで続けて、育児休業給付又は介護休業給付を受給していない月
④ 高年齢雇用継続給付の受給対象となっていない月
以下のような労働時間制度では、給付の対象となる場合、ならない場合があります。
① フレックスタイム制の適用を受けている場合、清算期間における総労働時間を短縮して就業するときは、育児時短就業と取り扱います。清算期間における総労働時間は変更せずに、フレキシブルタイムの一部又は全部の勤務を行わないことで、清算期間毎に欠勤控除を受けるときは、育児時短就業と取り扱いません。
② 変形労働時間制の適用を受けている場合、対象期間の総労働時間を短縮して就業するときは、育児時短就業と取り扱います。対象期間の総労働時間を変更しないときの対象期間中の1週間の平均労働時間を下回る期間(いわゆる閑散期)は育児時短就業と取り扱いません。
③ 裁量労働制の適用を受けている場合、みなし労働時間を短縮して就業するときは、育児時短就業と取り扱います。
④ 「シフト制」で就労する場合、実際の労働時間に基づいて1週間当たりの平均労働時間を算定し、短縮が確認できるときは、育児時短就業と取り扱います。
3.支給対象期間
支給対象期間は、原則として育児時短就業を開始した日の属する月から育児時短就業を 終了した日の属する月までの各暦月となります。

纏めると、次の①~④の日の属する月までが支給対象月となります。
① 育児時短就業に係る子が2歳に達する日の前日
・ 「子が2歳に達する日」とは、2歳の誕生日の前日をいいます。
② 産前産後休業、育児休業または介護休業を開始した日の前日
③ 育児時短就業に係る子とは別の子を養育するために育児時短就業を開始した日の前月末日
④ 子の死亡その他の事由により、子を養育しないこととなった日
・ 「その他の事由」とは、以下の事由をいいます。
ア 子の離縁又は養子縁組の取消(子が養子の場合)
イ 子が他の者の養子となったこと等の事情により当該子と同居しなくなったこと
ウ 特別養子縁組の成立の審判が確定することなく終了したこと、または、養子縁組里親である被保険者への委託の措置が解除されたこと
エ 被保険者の疾病・負傷、または身体上・精神上の障害により、子が2歳に達するまでの間、子を養育することができない状態になったこと
4.支給額
(1)支給対象月に支払われた賃金額※1が、育児時短就業開始時賃金月額※2の90%以下の場合
育児時短就業給付金の支給額 = 支給対象月に支払われた賃金額 × 10%
(2)支給対象月に支払われた賃金額が、育児時短就業開始時賃金月額の90%超~100%未満の場合
育児時短就業給付金の支給額 = 支給対象月に支払われた賃金額 × 調整後の支給率※3
(3)支給対象月に支払われた賃金額と、(1)又は(2)による支給額の合計額が支給限度額※4を超える場合
育児時短就業給付金の支給額 = 支給限度額 - 支給対象月に支払われた賃金額
※1 臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除いて、当該支給対象月に支払われた賃金をいいます。当該支給対象月を対象とした賃金であっても、他の月に支払われた賃金は含みません。
また、賃金算定の事由が各月ごとに発生し、本来各月ごとに支払われるべきところ、単に支払事務の便宜等のため数か月分一括して支払われる通勤手当等については、当該賃金が支払われた以後の各支給対象月に、当該賃金額をその基礎となる月数で除した額が支払われたものとして取り扱います。
※2 同一の子に係る最初の育児時短就業開始前直近6か月間(賃金支払基礎日数が11日未満の賃金月は除く。また、当該休業開始前の2年間に賃金支払基礎日数が11日以上の賃金月が6か月に満たない場合は、賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上である賃金月)に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金と3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く)の総額を180で除して得た額(育児時短就業開始時賃金日額。上限額及び下限額があります。)に30を乗じたものをいいます。
ただし、育児休業給付の対象となる育児休業から引き続き、同一の子について育児時短就業を開始した場合は、当該育児休業給付に係る休業開始時賃金日額を育児時短就業開始賃金日額とします。
※3 支給対象月に支払われた賃金額が、育児時短就業開始時賃金月額の90%超~100%未満のときは、支給対象月に支払われた賃金額と支給額の合計が、育児時短就業開始時賃金月額を超えないよう支給率を調整します。このときの支給率は次のとおりです。

※4 支給限度額(2025(令和7)年7月31日までの額): 459,000円
ご注意ください! 育児時短就業給付金が支給されないケース
育児時短就業給付金は、次の①~③のとおり、育児時短就業の前後で賃金が減少していないと認められる場合や、一定の限度額に該当する場合には、支給されませんのでご注意ください。
① 支給対象月に支払われた賃金額が、育児時短就業開始時賃金月額の100%以上の場合
② 支給対象月に支払われた賃金額が、支給限度額以上の場合 支給対象月に支払われた賃金額が、一定額以上の場合は、給付金が支給されなくなることがあり、こ のときの基準額を支給限度額といいます。このため、支給対象月に支払われた賃金額が、459,000 円(2025(令和7)年7月31日までの額)以上の場合は支給されません。
③ 上記(1)~(3)による支給額が、最低限度額以下のとき 支給限度額とは逆に、算定された支給額が低額の場合は、給付金が支給されなくなることがあり、こ のときの基準額を最低限度額といいます。このため、上記(1)~(3)によって算定された支給額 が、2,295円(2025(令和7)年7月31日までの額)以下の場合は支給されません。
支給率早見表は便利なツールだと思います。

具体的な申請手続き等は、パンフレット をご参照ください。
以 上
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