PMP Premium News
2026.04.10
- 労働行政の動向
- 実務シリーズ
裁量労働のみなし時間はなぜ1日単位なのか?

高市内閣になり裁量労働にまたまた日が当たるような気配です。
今回のテーマのような事をツラツラ考えましたので、発信します。
本来のPMP Premium Newsと異なり、筆者個人の考えの発信であることをまずお断わりします。本来であれば、目下システム設計中の、有料版 PMP News として関心ある方のみにお届けすべき内容ですが、有料版配信システムの構築に手間取っており、今回試しに発信してみました。不評であれば今回限りとします。
連載中の「人事マネジメント」5月号に、2500字程度で本件、若干詳しく解説しています。出版社のご厚意で6月になれば、こちらも全文お届けできる手筈となっています。
さて本題。
ご存じの通り、労基法の労働時間は、第32条第1項で「1週間について40時間を超えてはならない」と定め、第2項で「各日は8時間を超えてはならない」と定めています。裁量労働は第38条(時間計算)に続く、第38条の3(専門型)・第38条の4(企画型)において「対象業務に従事する労働者の労働時間として算定される時間労働したものとみなす」と定めています。
“1日X時間とみなす” でなくとも、労働時間大原則の第32条に沿って “1週XX時間とみなす” でも良いのではないでしょうか? というのが今回の問題提起です。
裁量労働、始まりは、1988年(昭和63年)4月の労基法大改正です。
先立つ1月1日労働省(当時)通達(基発第1号)で「労使協定において、裁量労働に該当する業務を定め、当該業務の遂行に必要とされる時間を定めた場合には、当該業務に従事した労働者は、当該協定で定める時間労働したものとみなされる」としました。
それが3月14日の通達(基発第150号)で突然、Q&Aとして(問)「労使協定で定める(みなし)労働時間は、1日の労働時間だけでなく、1か月の労働時間でも可能か?」を載せ、回答として「1日の労働時間を協定すること」なる記載が登場します。
どうもそれ以降、前例に敬意を表してか、行政では、裁量労働のみなし労働時間は1日単位となっているように思えます。この間に、あるいはそれ以前に、労働省内でどんな議論があったかは、調べても何の情報も入手できませんでした。
現在では、厚労省のせんもんぎょう裁量労働労使協定のひな型では、協定で定める “1日のみなし労働時間” 欄があり、
厚生労働省『専門業務型裁量労働制の解説』にも、
「労働時間としてみなす時間は、1日についての適用労働者の労働時間数として、具体的に定められたものを協定する必要があります。」「1週間単位や、1か月単位の時間を協定することはできません。」
と明記されています。
これらの根拠は何でしょうか?昭和63年の基発第150号のQ &Aでしょうか?
仮に、裁量労働のみなし時間が1日単位に加えて、労働時間の基本を定めた労基法第32条に沿って1週間単位もOKとなれば、社員や使用者の労働時間管理の弾力性は大幅に広がるはずです。これに週休3日や4日の仕組みを組み込めば、今月は頑張って働いて、来月は子供の学校休みにあわせて長い家族旅行もというような工夫もできるようになります。
そんなことを考えています。
高市さんがやろうとしている日本の労働市場改革、厚生労働省やこの分科会メンバーの学識者や組合関係者はどのような問題意識を持って、労働市場改革に臨もうとしているのでしょうか?
以 上
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