PMP Premium News
2026.07.10
- 労働行政の動向
- 実務シリーズ
最低賃金 – 発効日を操作し負担軽減ですか?!

毎年都道府県別に決定されている最低賃金ですが、決定された最低賃金がいつから発効するのか?は、① 法定発効と ② 指定日発効の2種類が定められています。
賃金法第14条第2項では、「公示の日から 起算して30日を経過した日(公示の日から起算して 30日を経過した日後の日 であつて当該決定において別に定める日があるときは、その日)から」と定められています。「公示日から起算して 30 日を経過した日」を法定発効、「別に定める日」を指定日発効と呼びます。
これまではほとんどが法定発効でした。

昨年の最低賃金の都道府県別の一覧が掲記図となります。
特徴は、昨年度は、大幅な最低賃金の引き上げが実施されました。このことは皆さんもすでにご存じですね。全国加重平均で 1,121円、過去最大 66円の 大幅引上げとなりました。
都道府県で公示日がバラバラなため、法定発効(公示日から 30日以内)を除く指定日発効を個別に検証しなければなりませんが、筆者の一次チェック(誤りがある可能性は否定しません)の限りでは指定日発効は26府県という結構な数になりました。11月以降の発効日は27府県でしたが、静岡の公示日は10月2日でしたので11月1日は法定発効でした。
厚生労働省中央最低賃金審議会では、令和7年度地方最低賃金審議会の審議結果を踏まえた論点と考え方の整理(案)において、「地域別最低賃金額の大幅な引上げがあった11 県において、指定日発効とした結果、発効日が例年に比べ大幅に後ろ倒しされる傾向が見られた。」と指摘しています。
要は、世間の要請もあり大幅な最低賃金が必要なので、最低賃金額はは大幅に引き上げよう! しかしながら、発効日を極力後ろ倒しにすることで、負担を軽減しよう!という “見え透いた” ロジックのように思えます。
全国展開をする事業体では、同じ社員であっても都道府県別に最低賃金への適用時期が異なる事象が起きることもあります。
それ以上に、最低賃金法の定めに着目して、従来の法定発効ではなく指定日発効を採択するという姿勢は、そもそも “何故、最低賃金額の大幅引き上げをおこなわなければならないのか” という国内のニーズに真摯に答える姿勢ではないようにも思えます。
最低賃金審議会では、今後は発効日についての議論もしていくという姿勢を示しています。
今後の動向に注視しましょう。
以 上
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