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2026.06.24
- 労働行政の動向
- 実務シリーズ
最近の労災請求は、精神障害、また50歳以上の脳・心臓疾患が増加 – 厚生労働省 過労死等防止対策推進協議会の議論から

※ 本記事の図表はいずれも6月5日に開催された 第32回過労死等防止対策推進協議会資料 からのものです。
まず、注目しなければならないのは、精神障害に係る労災請求件数の増加です。
出来事別の労災決定件数の伸び方を見ると「対人関係」の伸びが最も大きく(下左図)、その中でも特に「上司とのトラブル」の伸びが大きい状況(下右図)にあります。
都道府県労働局での相談の動向からは「いじめ・嫌がらせ」、「パワーハラスメントに関する相談」件数が高止まりとなっています。これらから、上司とのトラブル等の対人関係により精神にトラブルを抱えている労働者が多数存在することは明らかと考えられます。
また、精神障害の労災認定基準が改正され、2020年(令和2年)度に出来事の項目に「パワハラ」、2023年(令和5年)度に「カスハラ」が追加されたことにより、こうした事案について労災請求の増加につながったと考えられます。さらに 2022年(令和4年)4月の労働施策総合推進法の改正により、すべての企業に対してパワハラ防止措置の義務化されたことに伴い、パワーハラスメントに対する認知度が高まり、これが労災請求件数の増加につながったものと考えられます。
次に、脳・心臓疾患に係る労災の動向をみてみましょう。2019年(令和元年)の働き方改革法案の成立、2020年(令和2年)からのコロナ禍の影響などから週の就業時間が 60時間(週所定労働を 40時間とすれば、週 20時間以上の所定外労働となります‐PMP)の労働者数が減少傾向となっているにも関わらず、脳・心臓疾患の労災請求件数は緩やかな増加となっています。
厚生労働省は、2022年(令和4年)から2023年(令和5年)にかけて脳・心疾患にかかる労災請求件数が大きく増加したのは、2021年(令和3年)度に労災認定基準が改正され、「労働時間以外の負荷要因」を総合評価して労災認定することを明確化したこと等が影響している可能性も考えられるとしています。
注目すべきは、下図の通り、年齢別の労災請求件数の推移をみると、50歳代、60歳代年齢層が増加傾向にある点です。過去 10年の企業の雇用者年齢構成の推移をみても、50歳代、60歳代の増加基調が続いています。
これに加えて、雇用者の心疾患、脳血管疾患の年齢別総患者数は、当然のことながら50歳代、60歳代になると突出して高くなります。
以 上
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