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2026.04.02

  • 労働法改正

再度の整理として – 4月2日以降今年度施行予定の改正労働法情報まとめ

改正法情報の整理の第2弾は、4月2日以降の労働法改正関連情報を纏めてみました。 

1.ハラスメント関連 – 10月1日から
まずは、各社からのお問い合わせも多いハラスメント関連からとなります。

ハラスメントはご存じのように日本では、セクシャルハラスメントは男女雇用機会均等法、パワーハラスメントは労働施策総合推進法、マタニティーハラスメントは育児休業法と、根拠となる労働法がハラスメントの種類によってそれぞれ定められています。最初に各種労働法ありきという “縦割り” 方式でハラスメントが整理されています。
この日本式の法整理は、一般人からは複雑でわかりにくいハラスメント体系のように映っているのではないでしょうか?
注:ハラスメント全般を横断的に纏める法律を制定すれば、行政窓口を一本化できますし、法の根拠はなくとも、例えば、民族、人種、あるいは年齢についてのハラスメントを「わが社では許さない」という考え方を打ち出すことができるのにとふと考えたりもしています。

10月1日からは、カスタマーハラスメント(労働施策総合推進法改正)、就職活動中(含むインターンシップ中)の学生に対するセクシャルハラスメント(=「就活等セクハラ」、男女雇用機会均等法および労働施策総合推進法改正)が法違反となります。

厚生労働省ガイドブック等から明らかですが、カスタマーハラスメント(以後「カスハラ」)の具体的、標準的なイメージ像は、被害者はわが社社員ですが、加害者は社外のお客様等であり、「その労働者の業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、労働者の就業環境が害されるもの」と定義されています。社員が被害者となれば、その社員の就労環境整備は使用者の義務であるため、10月1日以降は使用者の法的責任が問われることになります。

実際のカスハラの悩ましい問題は、起きたカスハラを使用者が常に解決できるだけの権限までは持ちあわせていない点にあります。これまでのセクハラ、パワハラ、マタハラの標準的イメージとしての前提は、被害者に加えて加害者も社員でしたので、就業規則の服務規律や懲戒規定を整えることで、加害者社員に対しても企業は一定の処罰権限を有していました。カスハラは異なります。

先日、神奈川労働局との意見交換の場でもこの件を話題として取り上げましたが、予想通りカスハラ加害者に対する取り締まりなどは難しそうでした。別の機会に神奈川県産業労働局にもこの件についての見解を尋ねました、労働局と同様「なかなか難しいですね」との反応です。
なお、都道府県単位でカスハラ条例を成立させているのは、調べた限りでは東京都、北海道、三重県の3都道県に留まっています。

カスハラについては過去 PMP Premium News カスタマーハラスメントの施行日が2026年10月1日に決定される見込みです でも取り上げていますので、ご関心ある方はこの機会に参照してください。

次に「就活等セクハラ」について
まずは以下をご注意ください。
✔ 同性も含まれる
✔ 求職者等の相談に応じられる窓口を設定しこれを求職者等に周知する
✔ OB・OG訪問を含め社員と求職者等が面談等を行う際のルール策定が望ましい

特にルール策定に関しては、例えば、社外での面談の禁止、個人的な連絡先交換の禁止など各社の実情に応じて具体化が必要となることがあるかもしれません。ご存じのように法施行を機に、関係者の “法違反” に対する意識は一気に高まりますので、就活等セクハラによる社名公表などに繋がることのないようご留意ください。

最後に、10月までに指針の改正がなされるであろうとPMPが予想するパワーハラスメントについても触れておきます。法改正ではなく、厚生労働省の指針改正での対応ですので、国会の手続きは不要、厚生労働省内で決定できるため、夏から秋の初めごろに厚生労働省からの発表があるのではないかと考えています。いわゆる “自爆営業” についての措置となります。
以下が関連情報です。ご紹介します。

2.障害者雇用促進法 法定雇用率の引き上げ –  7月1日から
改正障害者雇用促進法は 2024年4月1日付で施行されています。その際の法定雇用率は 2.5%2.3%から0.2%引き上げられました)でしたが、7月からさらに 0.2%引き上げられ 2.7%となります。少なくとも1人の障害者の雇用義務が 40.0人以上規模から 37.5人規模以上の企業にまで広がることになります。

 3.公益通報者保護法 – 12月1日から
下表「1.」については、
これまでも社員数300人超の企業に対して、公益通報に適切に対応するための必要な体制整備として「公益通報対応業務従事者」の指定を義務づけていましたが、従来の行政機関による指導・助言・勧告権限に加えて、新たに勧告に従わない場合の命令権と命令違反時の刑事罰(30万円以下の罰金)、立入検査の拒否や報告懈怠・虚偽報告に対する刑事罰(30万円以下の罰金)が加わります。なお、これらはともに実行した本人だけでなく、その所属する法人(会社)にも罰金刑を科す両罰規定となります。

下表「2.」については、
保護の対象にフリーランス(含む業務委託関係終了1年未満)も新たに加わります。


上記表「3.」
については、
事業者が正当な理由がなく、公益通報をしない旨の合意をすることを求めること等によって公益通報を妨げる行為をすることを禁止し、これに違反してされた合意等の法律行為を無効とする。また事業者が、正当な理由がなく、公益通報者を特定することを目的とする行為をすることを禁止するとされています。

上記表「4.」については、
公益通報を理由とする不利益な取扱いの抑止・救済の強化です。
通報後1年以内に、公益通報を理由として解雇又は懲戒されたものと推定される場合は救済されることになります。また、公益通報を理由として解雇又は懲戒をした者に対しては直罰(6月以下の拘禁刑又は 30万円以下の罰金、両罰)を新設するとともに、企業に対しても法定刑として 3,000万円以下の罰金を課すとされています。

以 上

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