PMP Premium News
2020.10.23
- 労働法改正
70歳までの就業確保について、ただし努力義務

改正高年齢者雇用安定法が来年2021年4月1日から施行されます。少子高齢化の進展が止まず、一層の高齢者活用に舵が切られようとしています。
改正内容は以下の通りです。
65歳から70歳までの就業機会を確保するため、事業主に対して以下①から⑤のいずれかの措置を講ずる努力義務を設ける。
① 7 0歳までの定年引き上げ
② 7 0歳までの継続雇用制度(他の事業主によるものを含む)
③ 定年廃止
④ 希望するときは70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
⑤ 希望するときは70歳まで継続的に以下に従事する制度の導入
1) 事業主自ら実施する社会貢献事業
2) 事業主が委託、出資等する団体が行う社会貢献事業
なお、④ ⑤ は労働者代表等の同意を得た上での導入とする。
振り返ると、65歳までの雇用確保も同様の流れで進められてきました。
1990年の努力義務から2012年の希望者全員への義務化まで、22年の期間をかけています。
1990年 65歳までの継続雇用措置を努力義務
1994年 60歳を下回る定年を禁止
2004年 65歳までの雇用確保措置の義務化。対象者選定には一定の条件を認める
2012年 65歳までの希望者全員の雇用確保措置義務
今回も来年4月の努力義務から、義務化まで相応の時間をかけるとは思いますが、65歳のときのように20年以上を要するまでには至らないだろうと予想しています。
従来の65歳までの雇用確保措置と比べると、上記②の( )部分「他の事業主によるもの」は新たに追加されたものです。従来は子会社、関連会社等の特殊関係事業主しか認められていませんでした。特に高能力者や特殊なスキル保有者については、会社と専属契約の上で転職を請け負うタイプのビジネスなどが盛んになるかもしれません。
また上記④ ⑤が新たに加えられています。これらは雇用以外の措置であることから、まとめて創業支援等措置と呼ばれています。
努力義務ではありますが、70歳までの継続雇用の流れはすでに出来上がっているものとして、今回新たに認められた措置も含めて自社の高齢者活用策の検討をお勧めします。
例えば、継続雇用の条件として後継者の養成を義務付けたり、その人の持つ特別なスキルを後輩社員に伝承する業務委託契約を結んだり、あるいはフルタイム雇用から所定労働日や所定労働時間を短くした雇用条件を提示すると同時に兼業を一層促進する等々、一人一人のニーズと会社のそれぞれの事情を弾力的に反映する仕組みを、新しい発想で工夫していただきたいと思います。
最後に、これにあわせて雇用保険法等も改正されることになりますので纏めておきました。
1.高年齢継続雇用給付は2025年から縮小されます
2.2021年4月より65歳から70歳までの高年齢就業確保措置に対する雇用安定事業が開始されます。
3.2022月より、複数の事業主に雇用される65歳以上の労働者への雇用保険が適用となります。
やや趣旨は異なりますが、2021年4月より育児休業給付が失業給付から独立し、育児休業給付の保険料率(1000分の4)が新たに設定され、雇用保険料率は2年間に限り1000分の2引き下げられます。
以 上
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