PMP Premium News
2022.10.20
- 労働法改正
- 実務シリーズ
来年4月1日からの育児休業取得状況の公表の義務化 – 従業員数1,000人超の企業が対象

10月1日スタートした産後パパ育休を含む改正育児休業法対応はお済ですか?
さてこの改正育児休業法は、今年の4月、10月と2段階に分けて順次施行されました。来年4月から、改正育休法の最後のパートが施行されることになります。
今回のPMP Newsではこれについて説明いたします。
2023年4月1日から、従業員数1,000人超の企業には、育児休業等の取得の状況を年1回公表することが義務付けられます。公表すべき情報は ①男性の「育児休業等の取得率」または ②「育児休業等と育児目的休暇の取得率」となります。また公表は、公表前事業年度終了後速やか(概ね3か月以内)に行うこととされていますのでご注意ください。
まず、取得率の算出方法についてですが、
取得率の算出は、次のいずれかの割合(則第 71 条の4)となっています。
1)男性の「育児休業等の取得率」は直前の事業年度(以下「公表前事業年度」という。)の配偶者が出産したものの数に対するその雇用する男性労働者であって公表前事業年度において育児休業等(育児休業及び法第 23 条第2項又は第 24 条第1項の規定に基づく措置として育児休業に関する制度に準ずる措置が講じられた場合の当該措置によりする休業をいう。ロにおいて同じ。)をしたものの数の割合
2)男性の「育児休業等と育児目的休暇の取得率」を公表する場合は、公表前事業年度において配偶者が出産したものの数に対する、その雇用する男性労働者であって公表前事業年度において育児休業等をしたものの数及び小学校就学の始期に達するまでの子を養育する男性労働者を雇用する事業主が講ずる育児を目的とした休暇制度=小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者等に関する措置、ただし、子の看護休暇を除く を利用したものの数の合計数の割合
の何れかとなります。
出生時育児休業とそれ以外の育児休業等について分けて割合を計算する必要はありません。
労働基準法上の年次有給休暇を除くこととされています。
なお、「育児を目的とした休暇制度」とは、目的の中に育児を目的とするものであることが明らかにされている休暇制度となり、例えば、失効年休の育児目的での使用や、いわゆる「配偶者出産休暇」制度(休暇の取得が可能な日に配偶者の妊娠中、出産前が含まれていても差し支えなありません)、「育児参加奨励休暇」制度、子の入園式、卒園式等の行事や予防接種等の通院のための勤務時間中の外出を認める制度(育児・介護休業法に基づく子の看護休暇を上回る範囲に限る)などが該当します。
小学校就学の始期に達するまでの子について、このような育児を目的とした休暇制度を利用した男性労働者のみをその計算の対象とするものであること。
また、「小学校就学の始期に達するまでの子について」とは、本件の計算における「育児を目的とした休暇制度」の対象となる子の年齢の上限であり、それに満たない年齢までの子を対象とした制度についても、当然含まれるとされています。ただし、出産予定日前の期間のみ取得し、出産予定日以後に取得していない場合は計算から除外しなければなりません。
3) 育児休業を分割して2回取得した場合や、育児休業と育児を目的とした休暇制度の両方を取得した場合等であっても、当該休業や休暇が同一の子について取得したものである場合は、1人として数えるとされています。
また、事業年度をまたがって育児休業を取得した場合には育児休業を開始した日を含む事業年度の取得、分割して複数の事業年度において育児休業等を取得した場合には最初の育児休業等の取得のみを計算の対象とするものであるとされています。
4)取得率は、算出された割合について少数第1位以下を切り捨てたものとなります。
5)最後に、 配偶者が出産した又は育児休業等を取得した期間を定めて雇用される者のうち、育児・介護休業法上、育児休業等の対象とならない者は、計算から除外して差し支えないが、事業所の労使協定に基づき育児休業等の対象から除外されているものは計算に含めるものであるとされています。この点もご注意ください。また、子が死亡した場合や、公表前事業年度の末日時点で育児休業等や育児を目的とした休暇制度を取得した者が退職している場合は、当該労働者は分母及び分子の計算から除外することとされています。
その他留意すべき事項としては
① 従業員1,000人超とは、正確に定義すれば「常時雇用する労働者」1,000人超となります。これには、イ 期間の定めなく雇用されている者 、ロ 一定の期間を定めて雇用されている者又は日々雇用される者であって過去1年以上の期間について引き続き雇用されている者又は雇入れの時から1年以上引き続き雇用されると見込まれる者が含まれます。
② 「1,000 人を超える」とは、一時的に 1,000 人以下になることがあっても、常態として 1,000 人を超える労働者を雇用している場合を含むものとなります。
③ 常時雇用する労働者数が 1,000 人を超えた場合、その時点から公表義務が課されることになります。1,000 人を超えた日が属する事業年度に、その直前の事業年度の状況を公表しなければならないことになります。
④ 出向者については、育児休業に関する雇用管理を行っている事業主の取得者として計算することとなっています。
⑤ 公表の仕方としては、「インターネットの利用その他の適切な方法による」とされています(則第 71 条の3)。
「インターネットの利用」とは、自社のホームページや厚労省の「両立支援のひろば」の利用等とされています。
「その他の適切な方法」とは、「日刊紙への掲載」「県の広報誌」等の一般の人がその企業の育児休業の取得の状況を知り得る状況にする方法としていますが、事務所に備え付ける等の方法により、求めに応じて一般の人がその状況を知り得るようにする方法も差し支えないと結ばれています。
⑥ 「事業年度」とは、各事業主における会計年度を言います。
詳細は、厚生労働省のホームページ こちら をご参照ください。
以 上
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