G7 Labour & Employment Ministers’ Meeting in 倉敷

G7 Labour & Employment Ministers’ Meeting in 倉敷

4月22日・23日に倉敷で加藤厚生労働大臣が議長となりG7の Labour & Employment=労働雇用 大臣会合が開催されました。
2日間の協議を終え、G7倉敷宣言がリリースされましたのでお知らせします。

加藤厚生労働大臣は「議題を“人への投資”として、人口動態の変化、デジタル・トランスフォーメーション、グリーン・トランスフォーメーションを背景に、“人への投資”の中心となるリスキリングは生産性向上や賃上げにつながるとの観点から“経費”ではなく“投資”であるとの理解を共有し、会合の結果をG7倉敷宣言としてまとめた。」とコメントしています。

PMPなりにこの宣言を俯瞰的(かつやや強引)にまとめると以下の通りとなります。

まず新型コロナウイルスにより労働市場も大きなダメージを被り、回復が急務であるとの問題意識を共有化しています。一方で、パンデミックはeコマースやデジタルプラットフォームの活用、テレワーク、仮想的なコミュニケーションへの移行を含むデジタルトランスフォーメーションを加速化させた一面を指摘し、引きつづき、デジタルトランスフォーメーション/グリーントランスフォーメーションと人への投資は重要であるとしました。

また生産年齢人口の減少・増加率の低下を背景として人々には一層の労働市場参加を促さなければならず、そのためには労働市場の多様性や包摂性に注力すべきとしています。具体的には、① 高齢者のより長いキャリアを支援する  ② 障害者のインクルージョンを推進する  ③ ジェンダー平等を加速する  として、あわせて全ての労働者に対する暴力やハラスメント、特に仕事の世界におけるジェンダーに基づく暴力やハラスメントの防止が重要であるとしています。

次の大きな柱は、ワーク・エンゲージメントの向上とディーセント・ワークの推進です。

そのためには、以下の①から⑤。
①  格差の是正=雇用の場でのあらゆる形態の差別を防止するとともに、不利な立場に置かれやすい人々の平等な労働市場への参加を確保する政策や仕組みを実行する。

②  適切な賃金の確保=公正で人材を惹き付ける魅力のある賃金は、ディーセント・ワークにとって必要不可欠な要素の一つであるとし、公正な職務評価、賃金及び労働時間の関連法の確実な施行によって、十分な賃金を確保することが重要。

③  労働安全衛生の確保=安全で健康的な作業環境が ILO の労働における基本的原則及び権利に含まれたことを受け、デジタル化や人口動態の変化、気候変動といった大きな変化が、労働者の安全と健康に与える影響を考慮する必要があることを再確認するとともに、高齢化する労働力を踏まえた適切な安全衛生施策を講じていく必要がある、また職場におけるメンタルヘルス施策の充実が重要であることも再確認しています。

④  職場における健康とウェル・ビーイングの促進=労働者の健康を増進のみならず、生産性向上やディーセント・ワークにもつながるなど、更なる経済的利益をもたらすとしています。

⑤  人材マネジメントの改善とキャリア形成支援=ワーク・エンゲージメントの向上のためにも重要であり、在職者と求職者の双方に対して行われる必要があるとしています。

宣言全文(英語)は以下となります。人事のこれからの方向性を考える上での参考となる情報です。ご興味ある方はぜひ参照ください。
Investing in Human Capital – G7 Kurashiki Labour and Employment Ministers’ Meeting in Okayama – Japan, 22-23 April 2023 Kurashiki Ministerial Declaration

また概要は日本語PPTとしてあわせてリリースされています。こちらも是非。
G7倉敷労働雇用大臣宣言「人への投資」のポイント(G7倉敷宣言)
人への投資(仮訳)- G7 倉敷労働雇用大臣会合 日本、2023 年4月 23 日 倉敷労働雇用大臣宣言

特設サイトは こちら をご参照ください。

以    上