PMP Premium News
2023.11.02
- 労働行政の動向
日本の労働時間管理の現状 – 令和5年就労条件総合調査結果から

厚生労働省から、全国の正社員(期限の定めのない労働者)の就労条件の調査結果が公表されました。PMPでは特に労働時間を焦点に絞りその概要をご案内いたします。この調査は常用労働者30人以上の民間企業を対象に、6,421社を抽出して令和5年1月1日現在の状況等について調査を行い、3,768社からの有効回答を取りまとめたものです。
詳細は、厚生労働省ホームページ『令和5年就労条件総合調査の概況』をご参照ください。労働時間以外には、賃金制度や退職金制度についての調査結果があります。
3次産業従事者数が就業者数の3分の2近くとなり、報酬の原則を考える際、単なる労働時間をベースとすることは不適当な働き方が珍しくない日本ですが、みなし労働時間制を採用している企業割合は 14.3%(令和4年調査 14.1%)に過ぎません。労働基準法の厳しい労働時間規制による働き方が圧倒的多数を占めているのが現状です。みなし労働時間制の種類(複数回答)別にみると、「事業場外みなし労働時間制」が 12.4%、「専門業務型裁量労働制」が 2.1%、「企画業務型裁量労働制」が 0.4%となっています。ホワイトカラーはExempt扱いが当たり前の国と比べれば、これだけで競争では随分と不利となっているはずです。

一方で、政府が盛んに導入を勧めようとしている勤務間インターバル制度については、導入予定はなく、検討もしていない企業が前年の80.4%から81.5%に増えています??この程度の差は誤差の範囲内かもしれませんが・・・
導入予定はなく、検討もしていない理由(複数回答)別の企業割合をみると、「超過勤務の機会が少なく、当該制度を導入する必要性を感じないため」が 51.9%(令和4年調査 53.5%)と最も高くなっている一方で、「当該制度を知らなかったため」の全企業に対する企業割合は 19.2%(同 17.1%)と、これも前年より増加となっています。
変形労働時間制の適用を受ける労働者割合は 51.7%(令和4年調査 52.1%)、その内で「フレックスタイム制」は 10.6%。みなし労働時間制とフレックスタイム制を“弾力的労働時間制度”と纏めてみると、日本で弾力的な労働時間の下で働く人は、全体の24.9% – 要は4社に1社しか弾力的な働き方はできないというのが現状のようです。
労働時間全般、年間休日日数や年次有給休暇、特別休暇についての調査結果は以下の通りです。実際はなかなか厳しいというのが日本の就労条件のようです。




以 上
関連記事(同一カテゴリの最新記事)
-

-
2026.10.14
- 労働行政の動向
社会保険料削減ビジネスを行っていると疑われる事業所に対する事業所調査の状況について – 厚生労働省
厚生労働省は、本来国民健康保険・国民年金が適用されるべき個人事業主等を対象に、会費を徴収した上で法人の役員に加入させ、使用関係の実態のないまま社会保険を適用させるサービス(いわゆる…
-

-
2026.10.06
- 労働行政の動向
- 実務シリーズ
106万円の壁は崩れ去りました – 短時間労働者の社会保険適用に関する賃金要件(月額 8.8万円)の廃止
パートタイマーの社会保険の適用基準の一つ、賃金要件が廃止されました。106万円の壁が法的にもなくなったことになりますが、これについてはこれまでの PMP Premium News …
-

-
2026.09.17
- 労働行政の動向
- 実務シリーズ
今年度最低賃金の動向 – 5%割れの上昇率!?
厚生労働省は、都道府県労働局に設置されている地方最低賃金審議会が答申した令和8年度の地域別最低賃金の改定額(以下「改定額」)を取りまとめました。改定額及び発効予定年月日は以下のとお…
-

-
2026.08.26
- 労働行政の動向
- 実務シリーズ
厚生労働省 時間外労働等に係る相談・支援及び監督指導の見直し
先月21日の閣議で、日本成長戦略並びに経済財政運営と改革の基本方針2026 関連について① 36協定の締結や柔軟な労働時間制度の活用について、よろず支援拠点等との連携を強化しつつ、…
-

-
2026.07.10
- 労働行政の動向
- 実務シリーズ
最低賃金 – 発効日を操作し負担軽減ですか?!
毎年都道府県別に決定されている最低賃金ですが、決定された最低賃金がいつから発効するのか?は、① 法定発効と ② 指定日発効の2種類が定められています。賃金法第14条第2項では、「公…
Pick Up News
-

-
2026.10.16
- 労働法改正
- 実務シリーズ
カスハラ対応:ハラスメント防止規定の役割と企業内で「顧客」の役割を担う担当者への注意喚起 – 今回のカスハラと求職者等セクハラの問題提起 その2
-

-
2026.10.14
- 労働行政の動向
社会保険料削減ビジネスを行っていると疑われる事業所に対する事業所調査の状況について – 厚生労働省
-

-
2026.10.13
- 労働法改正
- 実務シリーズ
カスハラ対応:顧客の権利は? – 今回のカスハラと求職者等セクハラの問題提起 その1
-

-
2026.10.06
- 労働行政の動向
- 実務シリーズ
106万円の壁は崩れ去りました – 短時間労働者の社会保険適用に関する賃金要件(月額 8.8万円)の廃止
-

-
2026.09.04
- 労働法改正
- 実務シリーズ
10月1日以降の有期雇用者用の雇用契約書 ‐ 厚生労働省からの発表