PMP Premium News
2023.12.21
- 労働法改正
- 実務シリーズ
雇用保険法改正について

今回は12月12日付 PMP News「育児時短就業給付(仮称)の制度設計案が公表されました」関連となります。労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会から、雇用保険改正の観点から纏められた資料が公表されましたので、この切り口でご案内しましょう。
何れも雇用保険法改正が必要であるため、国会(次期通常国会の見込み)審議が必要となりますものの、ほぼこの内容で落ち着くように思います。
詳細は 厚生労働省 資料 をご参照ください。
雇用保険法改正の背景となる政府の問題意識としては以下の2つのようです。
① 女性や高齢者等、多様な人材の労働参加が進む中で、働くことに対する価値観やライフスタイルも更に多様になっている。労働者の生活及び雇用の安定を図る観点から、それぞれの労働者がその希望と状況に応じて持てる能力を十分に発揮できるよう、多様な働き方を効果的に支えるとともに、労働者の主体的なキャリア形成を支援することが求められている。
② 急速な少子化が進展する中で、男女ともに働きながら育児を担うことができる環境の整備に向けて、特に男性の育児休業の取得促進や、育児期を通じた柔軟な働き方の推進が求められている。
主な施策をご紹介します。
1.まずは、育児時短就業給付の創設についてですが、以下のように、① 2歳未満の子 ② 時短勤務中に支払われた賃金額の10%を給付 ③ ただし、この給付額と時短後賃金の合計額が時短前の賃金を超えないこと が概要となります。2025年度から実施の計画。

2.育児休業給付率の引き上げも2025年度からの実施。
被保険者+配偶者双方が14日以上の育児休業を取得する場合、Max28日間、給付金を手取りで10割相当に引き上げるもの。

3.被保険者を週所定労働時間10時間以上に拡大。2028年度中の予定。
目的は、今回ご案内した諸施策のための財源確保です。
被保険者期間に算入されるための基準を現行の「離職日から1箇月ごとに区切っていった期間に賃金の支払の基礎となった日数が 11 日以上又は賃金の支払の基礎となった労働時間数が80 時間以上ある場合」を、「離職日から1箇月ごとに区切っていった期間に賃金の支払の基礎となった日数が6日以上又は賃金の支払の基礎となった労働時間数が40 時間以上ある場合」へと見直すとされています。

4.依願退職者の給付制限(待機期間)を1か月に短縮。2025年度中。
労働市場の流動化を促進し、再就職活動の円滑化を狙うものといえます。

5.教育訓練給付の拡充を2024年度中に。
労働者の主体的な能力開発を支援していくとの問題意識から自らのキャリア形成のために必要な訓練が受けられるよう、環境整備を行っていくものです。



6.新たに教育訓練休暇給付金を創設。2025年度中。
これは、労働者の主体的な能力開発をより一層推進するためには、比較的長期間の教育訓練を受ける場合にあっても、労働者が生活費等への不安なく教育訓練に専念できるようにすることが重要との認識からの新制度となります。対象者は企業の制度を利用して、無給で、自主的に教育訓練のための休暇を取得した一般被保険者となります。各企業のリスキリング体系に盛り込むことも十分考えられます。

最後に、高齢者雇用に際して企業が利用してきた高年齢雇用継続給付については、65 歳までの雇用の継続を援助、促進することを目的に平成6年(1995年)に創設されましたが、高齢者雇用の動向等を踏まえ、令和2年の(2020年)雇用保険法改正において給付率を各月の賃金の15%から10%に引き下げることとされ、2025年4月から施行することが確認されています。本制度の役割は終えようとしています。
以 上
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