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2025.10.01
- 労働行政の動向
- 実務シリーズ
外国人労働者 – 特定技能外国人と従来からの技能実習生を使用する事業に対する2024年の監督・指導等の結果

外国人の就労については、昨今、移民問題という形でクローズアップされています。
ここで移民の議論はしませんが、欧米の反移民ムードには徒に流されることなく、人手不足が深刻化する一方で、少子化の具体策が見いだせない日本では、外国人労働力は日本にとって重要なテーマという問題意識を持ちたいと思います。その対策として、技能実習生という、発展途上国から世界をリードする日本が “技能” を教えるという制度は、今では的外れとしか言いようがないと思っています。この制度に実感の修正を加えた上で、特定分野の人手不足解消策として、“特定の技能” を持つ外国人を集めようとする特定技能外国人制度が2019年より始まっています。
今回、2024年度の特定技能外国人労働者と、従来からの技能実習生を使用する事業場に対する労働行政の指導結果が発表されました。特定技能外国人の就労に対する労働行政の指導結果は今回初めて発表されたように思います。
1.特定技能外国人
結果:特定技能外国人を使用し、労働基準関係法令違反が疑われる5,750事業場に対して監督指導を実施。4,395事業場(76.4%)で法令違反が認められました。
主な違反事項は、① 使用する機械等の安全基準(24.0%)、② 割増賃金の支払(17.2%)、③ 健康診断結果についての医師等からの意見聴取(16.7%)の順。

主な業種に対する監督指導の状況は、次の通りです。

特定技能外国人から労働基準監督署等に対して労働基準関係法令違反の是正を求めてなされた申告の件数は107件。
主な申告内容は、① 賃金・割増賃金の不払(90件=84%)、② 解雇手続の不備(15件=14%)、 ③ 支払われる賃金額が最低賃金未満(6件=6%) の順。
注:申告される事項が2つ以上あるケースもあるため、掲記%値は概略かつPMPの集計

2.技能実習生
技能実習生を使用しており、労働基準関係法令違反が疑われる 11,355 事業場に対して監督指導を実施。うち、8,310 事業場(73.2%)で同法令違反が認められました。
過去のトレンドとともに以下ご紹介します。

主な違反事項は、① 使用する機械等の安全基準(25.0%)、② 割増賃金の支払(15.6%)、③ 健康診断結果についての医師等からの意見聴取(14.9%)の順。

主な業種に対する監督指導の状況は、次の通り。

技能実習生から労働基準監督署等に対して労働基準関係法令違反の是正を求めてなされた申告の件数は 112件。

主な申告内容は、① 賃金・割増賃金の不払(88件=79%)、② 解雇手続の不備(20件=18%)、③ 支払われる賃金額が最低賃金未満(9件=8%) の順。
注:申告される事項が2つ以上あるケースもあるため、掲記%値は概略かつPMPの集計

以 上
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