2027年4月から技能実習制度に代わって育成就労制度がスタートします。

政府は「技能実習」に代わる外国人材受け入れ制度「育成就労」を2027年4月1日からスタートさせることを決定しました。これに伴い、技能実習制度は廃止されることになります。政府(林官房長官)は「労働力不足が国内で深刻化し、国際的な人材獲得競争が激化している」「技能実習は制度目的と運用実態の乖離が指摘されてきた。外国人にとって魅力ある制度を構築し、長期にわたり産業を支える人材を確保していく」とコメントしています。
本制度の目的は「育成就労産業分野(育成就労制度の受入れ分野)」(※)において、我が国での3年間の就労を通じて特定技能1号水準の技能を有する人材を育成するとともに、当該分野における人材を確保すること、とされています。
(※)特定産業分野(特定技能制度の受入れ分野)のうち就労を通じて技能を修得させることが相当なもの
具体的には、有識者や労使団体の会議体から意見を聴取した上で育成就労産業分野ごとの分野別運用方針を策定し、分野別運用方針において、生産性向上及び国内人材確保を行ってもなお不足する人数に基づき分野ごとの受入れ見込数を設定。これを受入れの上限数として運用するとしています。
また、育成就労計画の認定制度が新たに設けられます。
育成就労外国人ごとに作成する「育成就労計画」が認定制の対象となります。育成就労計画には育成就労の期間(3年以内)、育成就労の目標(業務、技能、日本語能力等)、内容等が記載され、外国人育成就労機構による認定を受けることになります。
育成就労外国人と育成就労実施者の間の雇用関係の成立のあっせんや)育成就労が適正に実施されているかどうか監理を行うなどの役割を担う監理支援機関が設けられ、監理支援機関としての許可を受けなければ監理支援事業を行うことはできないとされました。従来の技能実習制度の監理団体にもこの許可が必要となります。
送出国との二国間取決め(MOC)の作成や送出機関に支払う手数料が不当に高額にならない仕組みの導入など、送出の適正性を確保するとともに、育成就労外国人の本人意向による転籍を一定要件の下で認めることなどにより、労働者としての権利保護を適切に図るとしています。
また地域協議会を組織することなどにより、地域の受入環境整備を促進することになります。
育成就労制度及び特定技能制度のイメージは以下の通りです。
施行までのスケジュールは以下となります。
以 上