PMP Premium News
2021.09.17
- 労働行政の動向
- 実務シリーズ
派遣 労使協定方式 令和4年度の平均的な賃金額から

ご存じの通り、派遣社員の同一労働同一賃金では、派遣先均等均衡方式(=同じような職務に従事する派遣先の社員との賃金を比較する)、労使協定方式(=労使協定を締結した上で派遣社内での同一賃金を目指す)の何れかにより、派遣社員の処遇の管理が必要であるとされています。
大手派遣会社のほとんどは労使協定方式を採用していますが、この方式では毎年、厚生労働省職業安定局長名で各都道府県労働局長宛に通知される、“同様の職種に従事する一般労働者の平均的な賃金の額”を派遣社員の賃金水準の見直しの指標として使うとされています。
PMPでは昨年は10月、今年は8月にそれぞれ出された2年分の通知を比較分析してみました。
1.通勤手当
皆さんの記憶にまだ新しいと思いますが、同一労働同一賃金の影響で、派遣社員にも通勤手当を支給しなければならなくなった事を大きな理由として、派遣会社から派遣料金の引き上げ要請を受けたましたね。各社とも10~20%近い派遣料金の引き上げに応じられたはずです。
この通勤手当の1時間あたりに通算した平均額は、令和3年度74円から令和4年度は71円に引き下げられました。
派遣料金は変わりましたか?
2.一般賃金の経験年数別テーブル
経験年数が1年、2年、3年、5年、10年、20年と続く場合の賃金の変化(勤続0年を100として算出した指数)がテーブルとして示されています。令和3年度、令和4年度の2つのテーブルをこの順番に引用しておきます。

比較すると令和4年度は前年度よりも賃金カーブが寝ているようです。
テーブルが意味するところは、昨年に比べると経験者の賃金の引き上げは抑え込むという事になるようにも思えます。
筆者は派遣各社がこのテーブルに沿った派遣社員の賃金改定を行うというようなことは寡聞して聞いた事が有りません。
はっきり言えば、このテーブルは活用していないというのが実態のようですが、各社の賃金体系を設計したご経験のある人事諸氏からすれば、このテーブルはどのような評価となるのでしょうか?興味深いところです。
なお、局長通達では“同様の業務に従事する平均的な賃金額”と言う表現があるものの、この経験年数別の賃金テーブルには職種の違いは一切考慮されていません。どんな職種も経験年数ごとの習熟度は一律であるという認識のようです。
3.なお、
① 退職金は、一般基本給(という表現ですが、この“一般”の意味するものは何なのでしょうか?)と賞与の6%程度である事については令和3年度、4年度とも変更はありません。
② また、2.のテーブルの経験0年には新卒者ばかりでなく中途採用者も含まれているため、経験0年の新卒者は中途採用も含めた経験0年の職種別賃金の87.4%相当となるというガイドラインも令和3年度、4年度とも変更はありませんでした。
労使協定方式を採用した派遣各社の自社の派遣社員用の給与体系を維持するには、こんなご苦労もあるのだという事も人事各位には知っていただきたく、こんな小論を書いてみました。
以 上
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