PMP Premium News
2024.12.13
- 労働行政の動向
東京都労働局 2023年度の定期監督等の実施結果の発表

PMPのお客様、関係者を考えると、東京労働局の昨年度の都内労基署の定期監督の結果にはご関心があると思いましたので、全国ベースではありませんが、PMP Newsとして発信することにしました。
全体像は以下の通りです。
1 定期監督等の実施事業場数: 14,883 事業場
このうち、10,119 事業場(全体の 68.0%)が労働基準関係法令違反。
2 主な違反内容は以下の通りです
⑴ 機械・設備等の危険防止措置に関する安全基準に関する違反があったもの 3,370 事業場(22.6%)
(労働安全衛生法第 20 条から第 24 条のうち衛生基準に関するものを除く)
⑵ 違法な時間外労働があったもの 2,526 事業場(17.0%)
(労働基準法第 32 条及び 36 条)
⑶ 健康診断の実施に関する違反があったもの 2,068 事業場(13.9%)
(労働安全衛生法第 66 条から第 66 条の6)
ご関心の高い、労働基準法、労働安全衛生法関連は以下の通りです。
労基法関連では、労働時間(13.5%)と割増賃金(11.4%)がTop TWOとなっています。
安全衛生では、特に衛生=健康保全関連で、健康診断(13.9%)にご注目ください。年に1回の定期健康診断に関しては、労働安全衛生法第 66 条の 4で「事業者は、健康診断等の結果、異常の所見があると診断された労働者について、就業上の措置について、3か月以内に医師または歯科医師の意見を聴かなければならない」とされています。要は健診の結果、異常所見となった社員には “産業医所見” – 多くは就労に差し支えないという見解ですが・・・ – が必要なのですが、ベテランの産業医の先生ほどこれを失念、労基署の立入検査で指摘され、人事が初めて気付くという場面をPMPは複数回観察しています。ご注意ください。
厚生労働省の関連通達は2017年だったと記憶していますが、産業医任せとなっている事業所も少なからずあるようです。
最後に、東京労働局の定期監督ですが、コロナ禍では年間10,000件程度(2020年10,130件、2021年10,220件)でしたが、2022年15,160件、今回14,883件と約5割増しとなっています。
この点もご注意ください。

以 上
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