PMP Premium News
2023.01.27
- 労働判例
- 実務シリーズ
“腐ったミカン”労災認定 – 休業補償給付の不支給の取消

昨年12月22日付、大阪労働局の労災保険審査官が、2016年8月の学校法人追手門学院が職員に対し、外部コンサルタント会社BA社に委託、実施した“自律的キャリア形成研修”(退職勧奨者を対象に“自律的キャリア”の形成促す?研修)・面談ついて、労災認定を否定した労働基準監督署の不支給決定を取消す旨の裁決をしました。すでに2022年3月25日に労働基準監督署が労災認定を決定した1名を含め、メンタル系疾患を発症した“自律的キャリア形成”研修の参加者全員が労災認定を受けることになります。
2017年、茨木労働基準監督署同年2月うつ病発症した職員1名について、研修内容並びに研修に同席した学院人事担当者が研修講師の発言を訂正しなかったこと等から2022年3月労災認定するも、他の1名については発症時期が研修前の2016年7月下旬ごろとし、労災認定しませんでした。別の1名についても大阪中央労働基準監督署は同様に発症が研修前として労災認定をしませんでした。
大阪労働局労災審査官は、これら所轄の労働基準監督署の判断は誤りとし、発症時期は機能障害が顕著となり症状が明確となった研修後の8月下旬であるとしました。
「コンサルタント会社BAの“自律的キャリア形成研修”を5日間受講したが、講師から『あなたのように腐ったミカンを置いておくわけにはいかない』などと連日言われ、研修後、同学院理事長らと複数回面談し退職を求められた。男性は17年2月にうつ病と診断された。」(2022年8月29日。時事通信より)
人事が経営上の要請から退職勧奨の実施を求められることは十分に起こりえるもので、そのような際に、退職勧奨の合意形成を支援するような外部の専門家がいるのであれば、それに縋る気持ちも理解できますが、本件のように「同席した学院人事担当者が研修講師の発言を訂正しなかった」ことから、この研修が「同学院の意向に沿った」とされてしまうこともあります。注意しましょう。
以 上
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