PMP Premium News
2026.06.29
- 労働行政の動向
早くも腰砕けの労働市場改革! – 日本成長戦略会議 労働市場改革分科会とりまとめが6月2日に公表

再び、力強い経済成長を日本で起こしたいという高市内閣の思いを受けて、昨年11月に生まれた日本成長戦略会議。高市首相は、日本経済の成長のためには旧態然とした日本の労働市場の改革が必須であると位置づけ、日本成長戦略会議から派生した労働市場改革分科会が厚生労働省内で作られました。ここでは5月までに労働市場改革の基本方針を打ち出すとの発表もあり楽しみにしていました。
労働市場改革の基本方針の とりまとめ “らしきもの” が6月2日に公表されました。皆様ご存じですか? TV・新聞等の一般の報道で取り上げられましたか? 記憶にありません。
さて、ここでは、皆さんのご関心のある労働時間制度の “改革” を中心に、この取りまとめの概要をお届けしましょう。
なお、労働時間関連も取りまとめ全文をご紹介するわけにはいかないため、“切り取り” となっています。全文は「日本成長戦略会議 労働市場改革分科会 とりまとめ」となりますので、是非アクセスください。
とりまとめの冒頭部分『はじめに』の最後の文章には “「強い経済」の実現に向けた労働市場改革の方向性について、本分科会として以下のとおりとりまとめる。” と勇壮な文章が躍っていました。
その上での、労働時間に改革に関する “とりまとめ” の結論は、一言でいえば、先送りです。
● 労働時間法制等に係る政策対応の在り方については、労働政策審議会でも議論されてきたとおり、柔軟で多様な働き方の推進の観点や労働者の一層の健康確保の観点から様々な論点が存在している。
● 本分科会の議論では、いずれも簡単に結論が得られるものではないが、日本成長戦略会議で取り上げた趣旨も踏まえ、労働参加率や労働生産性の向上の必要性に鑑み、労働者の健康維持やワーク・ライフ・バランスを前提とするとの認識を共有しつつ、柔軟で多様な働き方を含む労働時間法制等に係る政策対応については、夏以降の労働政策審議会において、議論を行う必要がある。
👈 結局、労働時間に関するものは、夏以降に先送りとなりました(PMP)
続いて、労働時間の各論の夏までの検討の方向性にも触れられています。
・ 時間外労働の実態との間に「隙間」がある中(「隙間」の意味が不明ですが、取りまとめに突然この言葉が登場しました。PMP)で、上限規制は過労死認定ラインであり、上限規制を維持し、労働者の健康確保やワーク・ライフ・バランスの確保の観点から長時間労働の是正を図るとともに、労働生産性の向上を促し、併せて多様な人材の労働参加を可能とすることが重要である。
・ 裁量労働制については、適正に運用されれば労働者にとっても良い制度であるが、長時間労働になる、裁量や適切な処遇が確保されない実態があることが指摘されている。 現場の実態や労使双方の立場を十分に踏まえて、健康確保、長時間労働防止、適切な処遇確保などの濫用防止措置を前提に、裁量労働制の対象の在り方について、見直しの検討を行う必要がある。
また、変形労働時間制については、他律的な要因に十分対応できていない現場の実態や、労働者の生活時間や予見可能性の確保にも留意しつつ検討を進める必要がある。
・ 労働者の健康確保や生活時間の確保が重要であり、これらは多様な人材の労働参加に当たっても重要であることから、連続勤務規制や勤務間インターバル制度の法的位置付け、「つながらない権利」の在り方、副業・兼業に当たっての健康確保、テレワークの活用促進などについて、現場の実態や労使双方の立場を十分に踏まえて、検討を進める必要がある。
筆者なりに纏めると、以下となります。
1. 時間外労働の実態は未だに問題があるので、長時間労働には目を光らせつつ、生産性向上を促し、多様な人材を改革後の労働市場に迎え入れるのだ!
👈 どのようにして実現するのかはよくわかりませんでした。夏までに回答が出てくるのでしょう。(PMP)
2. 裁量労働、変形労働時間、連続勤務規制、勤務間インターバル、繋がらない権利、副業・兼業の際の健康問題、テレワークの促進、よく検討しましょう!
👈 テレワークが今でも議論の遡上に上るのですか? 生産性の観点から言えば、世の中は Back to the OFFICE ですが、生産性との関連の議論はせずに、促進ですか?
次に、労働時間の “運用面” での行政の管理について触れています。
● また、運用については、時間外労働の実態を踏まえた、36 協定の締結や柔軟な労働時間制度の活用について、よろず支援拠点等との連携を強化しつつ、「働き方改革推進支援センター」や労働基準監督署による相談支援の充実を速やかに実施するとともに、必要な体制整備については2027 年度以降も着実に実施を図る必要がある。
👈 必要な体制整備を今後も着実に実施すると言われれば誰も反対しません。(PMP)
労働基準監督署において、重大・悪質な事案に対しては厳正に対応しつつ、労働時間や労働者の健康確保措置に関する労使の合意に則った指導が行われるよう速やかに見直す必要がある。
👈 労基署の指導が労使の合意に則った指導に見直される! そうです。(PMP)
今回は、冷静さを欠いたご案内となっている点、あらためてお詫びします。
是非、ご案内した とりまとめ 全文にアクセスいただき、皆様のご意見も拝聴させてください。
日本経済の成長には、優秀な国民である日本人の働き方を変えなければなりません。既存の労働法、特に労働時間に関する規制の見直しが必要です。
皆さんと同じ問題意識を持って、PMPでは、引き続き、厚生労働省内での議論を追いかけていきます。
以 上
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